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【餃子】「餃子の王将」出町店が閉店へ | 世界の餃子ストーリー

てづくり水餃子
Photo by Chikako TADA

京都にある「餃子の王将」出町店が10月、閉店するとコチラで読みました。学生が30分の皿洗いをすれば1食タダにするサービスを1982年からしていました。

ご主人が70歳になり、後継者も不在ということです。元・京都の住人ですが残念です。利用したことはありませんが(学生ではなかったですし)、よそ者としてはあたたかさと寛容さが感じられ、ホッとさせてくれました。

50分の手伝いで1食タダになる東京・神保町の「未来食堂」が「これまでにないサービス」として注目され始めた数年前「でも出町の王将は昔から30分でタダだよね」と思ったり。

人情あふれる「世界の餃子旅」にお付き合いくださいませ。

インドの餃子:チベット由来の「モモ」チョコレート味も

7年暮らしたインドにも餃子はありました。チベットの蒸し餃子「モモ(Momo)」です。インド育ちの9歳児は「モモズ」と呼びます。通っていた学校の売店(Tuckshop)でも売られていました。50ルピー(70円)とかだったと思います。

インドの学校の餃子Photo by Chikako TADA

インド暮らし末期にはチベット料理屋に通っていました。モモが目当てです。帰宅途中にわざわざ寄っていた店はデリー近郊グルガオンにある「Yangkiez」という店です。

ジャパニーズカレーもありました。300ルピー(450円)ほどで、大きなカップにルーが入っていてちょっとカフェ風でした。四川風カレー(辛そう)、マカーニカレー(バターチキン)もありますが、日本風が一押しのようでメニューの冒頭にありました。ベジ(菜食)とチキンが選べます。

チベット餃子屋のメニューPhoto by Chikako TADA

店主の女性は日系メーカーで働いていたころ日本の味を知ったそうです。「おいしいですか?」と日本語で訊かれました。顔を覚えられてしまい、チョコレート味の「モモズ」をいつもオマケしてくれました。ギョーザと思わなければとろりとして、頑張っているなーと思う味でした。

インドでチベット餃子Photo by Chikako TADA

ロックダウン(都市封鎖)中も宅配は続けていました。ありがたくてよく頼みました。フタに書かれたKindly Rate us!(評価してね)がインドらしいです。(Kindlyもよく使います)

ロックダウン中も宅配Photo by Chikako TADA

インド東北部・ダージリン地方ではインド御法度の「ビーフ」のモモに出会いました。揚げたり焼いたり、蒸すだけではないのも新鮮でした。

ネパールのモモもおいしかったです。

ダージリンやネパールで餃子Photo by Chikako TADA

香港で餃子:映画の撮影をかたって飲茶でエビ餃子

新聞社時代の同僚ヤッシーとガクさんという盟友がいます。気の置けない仲間すぎて、彼らがいる人生で本当によかったなと思います。香港、台湾…。私が社を辞めてもよく中華圏を旅しました。ガクさんが中国語使いだからです。

一緒に行くと街角の食堂やタクシーなど行く先々で、他愛のないウソをつくのがお約束です。お気に入りの定番は「我々は映画の撮影に来たクルーだ」です。スキンヘッドのガクさんが「映画監督」になりすまし、ヤッシーが助手、私がずうずうしくも女優をかたります。

飲茶をしながら話し倒します。やはりエビ餃子は外せません。

エビ餃子

食べ終わろうとしたころ、隣の円卓にいた女の子が急に近づいてきたことがあります。

手にした「つまようじ」をガクさんのピカピカおでこに乗せたのです。たまげました。えっ。こちらが絶句する間にスーッとなでて、黙ったまま逃げていきました。

ガクさんは目をつぶってされるがままになっていました。ブッ、本当にお茶を吹き出してしまいました。ガクさんは慣れたものでした。欧米の女の子に「ノーヘアー!」と指差されたこともあるそうです。何ともはやですが懐かしい思い出です。

北京で餃子:粉もん名人の中国語の先生に弟子入り

北京在住の友人宅を押しかけ、彼女の中国語の先生に家庭の餃子を習ったこともあります。
「餃子粉」やしょうゆ、ごま油、フェンネル、セロリ、ニラ、ナス、ズッキーニ、白菜を用意してくれていました。

餃子にフェンネルを入れるんだ、と驚きました。ロシアのぺリメニみたいです。
肉あんを作るためにひき肉にしょうゆを控えめに混ぜてくれました。「日本の人はチンダンダ(清淡的=あっさり)が好き」だからと好みをよく知っていました。野菜を刻んだらギュギュギューッ、これでもかと水けを絞ります。それぞれ肉と混ぜるから餃子6種類ができあがるというわけです。

粉を練って皮も作りました。肉あんを皮にのせます。先生はヒダを寄せずにピタッとくっつけていました。いま見てもいかにもおいしそうです。とてもやさしくて幸せな味がしました。

北京で習った餃子Photo by Chikako TADA

台湾で餃子:「人間国宝級」のプロに弟子入り

台湾ではプロに餃子の作り方を教わりました。中南部の都市・嘉義の大学で「人間国宝級」という先生からです。

肉あんはよくこねてから水を足していました。ピューッと飛び出す肉汁は水だと知りました。ギュッと皮を押さえて、と。「チカラ!チカラ!」。日本語で指導されました。編み込むような芸術的な包み方でした。

台湾で習った編み込み餃子Photo by Chikako TADA

いまごろモモと同じだと気づきました。アジアですね。生地を押さえてジグザグさせてくっつけます。指先が急こう配を登る電車みたいで「スイッチバック餃子」と呼んでいました。

こうしたギョーザ遍歴をへて拙著「世界のおやつ旅」でレシピを紹介しました。再検討してからこのサイトの「10年レシピ」でも掲載します。

世界のおやつ旅の餃子Photo by Chikako TADA
Author
Chikako Tada
Chikako Tada
食メディア「Pen & Spoon」編集長。元・朝日新聞記者。ル・コルドン・ブルー・パリ校製菓ディプロム取得。パリⅢ大学で仏語を学ぶ。TOEIC895点。辻調製パン技術講座(通信制)修了。フランス・スイス・NZ・インド・タイ・香港で食セミナー/指導。
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