食モノ語り

私たちのお弁当100 | インド在住・マルホトラ泰子さん

私たちのお弁当
Photo by Yasuko Malhotra

お弁当を語るリレー連載「私たちのお弁当100」4回目です。作り手・語り手はインド在住のマルホトラ泰子さんです。インド料理やアートを教える「Blue Lotus Culinary & Art Studio」を主宰、ファッション誌の取材コーディネーターとしても活躍しています。

連載に登場するのは泰子さんのほか北海道の立川美穂さん、イランの「さくらパパ」さん、シンガポール在住の鈴木祥子さん、そして私(多田)の5人です。紹介したお弁当をベースに30個を再現、作りやすいレシピをシェアします。

私たちのお弁当Photo by Miho Tachikawa

インド在住20年、「ないものはつくる」人

Chikako
Chikako
泰子さんといえばインドの政治、歴史からアート、料理までこなすマルチタレントです。知識量がすごい。在留邦人の知恵袋です。
Yasuko
Yasuko
納豆や豆腐は大豆から、カマボコやチクワは魚から、中華麺やうどんは粉から手作りしますよ~。

#01 折尾駅オマージュかしわめし弁当

 

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駅弁「かしわめし」は福岡にあるJR折尾駅の名物です。鶏のスープで炊いたごはんに刻みのり、卵がのっています。

泰子さんは福岡出身です。折尾駅の近くに仕事先があり、帰りに買って食べるのが楽しみだったそうです。「ホームに立ち売りで販売員さんが来るんですよ。ホームにあるうどん屋さんでも買えます」。

折尾で「かしわめし」が売り出されたのは1921年(大正10年)だそうです。今年で100年、7月にはお祝いに復刻版が販売されるのだとか。

お茶を入れる「汽車土瓶」がセットの「記念かしわめし」もお目見えします。

ガタゴトと列車に揺られたくなります。限定500個で折尾駅の立ち売りと北九州市にある本社でしか買えないとのことです。

おかずは「サトイモのピザ焼き」と「チンゲン菜炒め」です。ゆでたサトイモにピザソースをからめ、チーズを乗せて焼いたそうです。その手があったか。

#02 自分でミンチするメンチカツ弁当:

 

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お米はインド北部にあり、日本の方々が協力するアラーハバード有機農業組合が育てた「はつしも」です。「ロックダウン中も届けてもらえて本当にありがたい」と話します。

「茶色いお弁当だったので色を添えたくて。ゆで卵の色は食紅です」。

メンチカツに使う豚肉は軍隊エリア(デリー・カント)にある「イングリッシュミートショップ」で買います。豚肉を半冷凍にして、切り分けでグラインダーでミンチにするところから始まります。

キャベツと玉ねぎとニンジンを混ぜて作ります。肉とキャベツは1:1で、キャベツもみじん切りだそうです。

卵の半分はタネに混ぜて「つなぎ」にして、残りに水と小麦粉を足して形を整えたタネを潜らせ、生パン粉をつけて揚げます。

ごはんは油揚げとショウガ入りです。「デリーも暑くなってきたので、甘酢漬けショウガでいたまないようにしようと思って」。

「寿司屋 ガリ」で検索して作ったそうです。混ぜる、という発想はなかったですが、さっぱりしておいしそうです。

#03 うるち米の赤飯おむすび弁当

 

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おむすびのうち1個はお赤飯です。小豆を圧力鍋で煮て、粒あんにする途中の豆を抜いて赤飯に混ぜたのだとか。もち米はないのでうるち米だそうです。これも「赤飯=もち米」と思いこんでいるのでやったことがありません。

でも圧力鍋なら、うるち米でもモチモチになるので「赤飯」になりそうです。「ない」というのは不便ですが、思い込みから離れられてイノベーションを生みますね。すばらしい。

おむすびにあう野菜おかずを訊きました。「カラフルな野菜炒め」「ポテサラ」「かぼちゃ煮つけ」もよいかも、とことでした。

「インドのかぼちゃは水分が多いので、切ってから一度オーブンで焼いて煮つけてます」。デリーでは有名なイタリア料理店「Diva」のシェフに「そうするとホクッとする」と教えてもらったそうです。

本当にひと手間もふた手間もかかります。

#04 ロックダウン軍艦巻き弁当

 

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1列目左から:自家製ショウガ甘酢漬け(ガリ)薄切り、キュウリ軍艦巻きにシイタケの甘辛煮、卵焼き、鮭フレーク、塩もみした薄切り大根に梅干し。

2列目左から:ゆでエビ、ゆでオクラ、ツナマヨ、カニカマ、インゲンバター炒め。

出歩けないなかでも楽しみを見つける達人です。名付けて「ロックダウン寿司」ですね。

軍艦巻きは1個につきすし飯は20gで、まずかたちづくります。全形のりを6等分にした帯状のノリをくるっと巻いて、好きなものをのせたらできあがりです。

「軍艦」だけ作って好きな具材をのせてもらうのも、大学生の息子さんや友人たちにウケたそうです。

「キュウリをピーラーで長く切って、巻き付けたのがさわやかでお気に入りです」。

カニカマは日系、韓国系スーパーだけでなく、「モダンバザール」「ビッグバスケット」などインドのスーパー(通販スーパー)でも配達してくれるそうです。

「さらに近ごろはMAIN DISH.inが刺身用の冷凍マグロとか冷凍サバとか焼き鳥とか、日本の調味料も届けてくれて大助かりです」。ますます便利になっていますね。

#05 ベジOK炊き込みごはん弁当

 

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炊き込みご飯、ソーセージ、かぼちゃ煮物、マカロニ、ネギ入り卵焼きです。

炊き込みご飯はシイタケ、ニンジン、レンコンをしょうゆ、酒、みりん、だしで煮て、小分けにして冷凍しておいたものを混ぜたそうです。ソーセージ(と卵)を除けばベジタリアンでもOKです。

Kindle出版するBento本のレシピとして「おむすび」「炊き込みごはん」「軍艦巻き」は再現決定です。ベジタリアン向けのレシピにも使えそうです。厳しいコロナ渦でも楽しむ達人ぶり、見習いたいです。

Author
Chikako Tada
食メディア「Pen & Spoon」編集長。元・朝日新聞記者。ル・コルドン・ブルー・パリ校製菓ディプロム取得。パリⅢ大学で仏語を学ぶ。TOEIC895点。辻調製パン技術講座(通信制)修了。フランス・スイス・NZ・インド・タイ・香港で食セミナー/指導。
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