お弁当を語るリレー連載「私たちのお弁当100」5回目です。作り手・語り手はインド在住20年のマルホトラ泰子さん2回目です。インド料理やアートを教える「Blue Lotus Culinary & Art Studio」を主宰、ファッション誌の取材コーディネーターとしても活躍しています。
連載に登場するのは泰子さんのほか北海道の立川美穂さん、イランの「さくらパパ」さん、シンガポール在住の鈴木祥子さん、私(多田)です。紹介したお弁当をベースに30個を再現、作りやすいレシピをシェアします。

#06 スパイシーからあげ弁当
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カニカマ卵焼き:カニカマは首都デリーに隣接する衛星都市・グルガオンにある韓国スーパー「Kim‘s Mart」で買います。卵は卸問屋さんから30個をまとめ買いするそうです。
スパイシーチキンから揚げ:骨つき鶏の水けをキッチンペーパーなどでふきとります。スパイスはガーリックペースト、ジンジャーペースト、黒こしょう、カシミーリーミルチー(インド北部カシミール産の唐辛子。上質で有名)、ガラムマサーラー、青唐辛子ペースト、コリアンダーパウダーだそう。
水切りヨーグルト、しょうゆ少々も混ぜて冷蔵庫に3時間くらい置いて味をなじませます。
さすがのスパイスとヨーグルト使い。インドのワザですね。
やわらかくなるし、しっかり味がしみこみます。赤い辛そうな色のためにカシミーリーミルチーがマストです。
コーンフラワーや片栗粉を混ぜて揚げるそうです。
枝豆:日系のオーガニック野菜「トマト・プロジェクト」で旬のころ買いました。せっせと両端を切り落とし、塩もみして、かためにゆでて冷凍しておいたものです。
しそとコーンかき揚げ:とうもろこしは内側の皮1枚を残して水に浸してレンジでチンしたコーンの実をこそげ取ります。小麦粉、カツオブシ粉と冷水を混ぜた衣でまとめ、ピンポン玉ぐらいにします。バルコニーで育てたしそに乗せて平たくし、しそ側から揚げます。
プラム干し:コロナ渦で日本へ一時帰国できず、「梅干し」のかわりになるかも…と今回、初トライしました。塩と一緒にファスナー付き袋に入れ、果汁がたっぷり出たところでクエン酸を入れ、また3週間弱ほど置いたそうです。
クエン酸はインド人が手軽にパニール(カッテージチーズ)を作るのに使うので「酸味付けにイケるかも」と思いついたそうです。ネットでも「酸っぱさを出すためクエン酸を足すといい」と書いてあって実践したそうです。
クエン酸を足したらほぼ梅干しでしたよ~。
3日ほど陰干ししたら固いものはよくもみほぐし、消毒した瓶に保存します。
残ったプラム酢も料理に塩けを足したり、ドレッシングを作ったりするのに使っています。
#07 コーンごはん弁当
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コーンごはん:とうもろこしは「1周皮つき」でレンジで5分、加熱して実をこそげ落とし、芯も一緒に入れます。塩を足して炊きました。生のまま炊くより甘みが出ます。
ザワークラウト:キャベツ漬け・ザワークラウトはドイツで教わりました。「塩とキャベツだけで発酵させるすぐれものです」。
旅行関係の会社で働いていた35歳、休職して3カ月ほど語学留学したそうです。滞在先は南ドイツの古都アウクスブルク郊外でした。ザワークラウトはホームステイしたお宅のマダム直伝です。
それまでヨーロッパを鉄道で旅していて一番、気に入ったのがドイツだったとか。
マダムは南ドイツの家庭料理をふるまってくれました。
豚の塩ゆでドーン、とか、薄切りにしてマッシュポテトとザワークラウトを添えて、とか。でっかいソーセージを焼いたのに温野菜サラダ、煮込みスープにドイツパンとか。
彼女は美容院を営みながらもチャチャっと作った弁当を泰子さんに持たせてくれました。パンにハムとチーズを挟んだのと、ジュースです。
泰子さんはアウクスブルクの市場のベンチで弁当を食べてから、おやつを市場で買い食いしていたそうです。寒い冬だったというのに!
話を聞いて心ポカポカ、泰子さんの引き出しの多さの理由が分かった気がしました。
#08 崩れないバーガー弁当
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豚しょうが焼きバーガー:豚しょうが焼きとレタス、ベーコンエッグをはさんでいます。バンズから手作りです。
「インドのマクドナルドのバンズは持って食べているうちに崩壊します。バーガーキングのはちょっとマシですが」。
蒸しとうもろこし:皮を残して加熱したほうが、水分がほどよく残っておいしい気がするのだとか。天然ラップ、いいですよね。
デリーかいわいは5月後半~6月半ばまでが暑さのピーク、とうもろこしが旬です。道端の焼きとうもろこしの屋台ではスパイスをかけてくれます。
泰子さんによると「チャート・マサーラー(ガラムマサーラーとちがって「酸味」がある)と岩塩」だそうです。
#09 ビーツ入りコロッケ弁当
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Kindle弁当本に向け、ベジタリアン弁当を作ってもらいました。
ジャガイモとビーツのコロッケ:柔らかくゆでたビーツ入りです。半々でも、ビーツ多めでもOKなのだとか。
炒めたみじん切り玉ねぎ、グリーンピースを混ぜることもあります。
キャベツ炒め:ピーナツ油で炒め、しょうゆと粉末昆布を少しかけています。
カレー風味切り干し大根:ふつうのしょうゆ味の切り干し大根の仕上げにカレー粉を回しかけ、さっと炒めて出来上がりです。
泰子さんの「カレー粉」ってどんなのでしょう。
ターメリック、ジンジャーパウダー、コリアンダー、クミン、カルダモン、赤トウガラシ、黒コショウです。 ターメリックとジンジャーパウダー以外はからいりしてグラインダーで挽いています。
さすが…としかいいようがありません。
豆ごはん:さやえんどうからせっせと豆を出して生のまま冷凍しています。塩水でさっとゆでてから炊き上がったご飯に混ぜています。
「子どものころごはんと一緒に炊いた色の変わったピースが苦手で、豆だけつまんで出してました」。
そういえば私も「苦手な食べ物は?」と訊かれて「別にないけど…でも」の続きに答えるのが豆ごはんでした。
デリーは今年、まだ涼しい(でも39℃)ようです。泰子さんは「汁気の多いおかずは入れない」「マヨネーズ入りのサラダは入れない」「生野菜も入れない」など気をつけています。
Kindle出版するBento本のレシピとして「ベジコロッケ」「豆ごはん」「コーンごはん」は再現決定です。スパイシーからあげもおいしそうですね。少しコロナ渦も落ち着いてきたようでホッとしています。次回もベジ祭りに期待しています!