食メディア「ペンとスプーン」では「ラテ(とベイク)のためのスパイス」を試していただけるカフェ・喫茶店を10店、募集します。コロナ禍で奮闘する店を応援したい!との狙いで開発中です。コーヒーのバリエーションを日本にもっと増やしたいとの思いもあります。スパイスはご縁のあるインドから直輸入します。フレーバーはパンプキンパイ味、ジンジャーブレッド味、カルダモンチャイ味、パン・デピス味、メキシカンココア味の予定です。カフェラテだけでなく焼き菓子、ドリンクにも使えます。「こんな味がいい!」「こんな使い方もできる!」などフィードバックしていただき、商品化に向けて踏み出します。お申し込み要項はコチラです。試供スパイスは9月中に発送できる見込みです。スパイスの解説や使い方のコツ、レシピ例を記したチラシもあわせてお送りします。ぜひお申し込みくださいませ。*定員に達しましたので募集を締め切りました。ご応募ありがとうございました。(2021年9月2日)
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私たちについて
喫茶店やカフェは私たちをいやし、ときには刺激もくれる「暮らしのスパイス」のような存在です。コロナ禍にあって私自身、足が遠のいており、スパイスそのもので応援したいと考えました。
福岡で外国人の就職支援を行う会社「kedomo」のプロジェクトです。「ペンとスプーン」は試作のお手伝いをしています。
スパイスはインド北部・ウッタラカンド州にある農業ベンチャーから輸入します。
リーダーのアビシェイクさんは地元の大学で日本語を学びました。零細農家をつなげて彼らの自立を支えようと昨年8月、農業法人を設立しました。スパイスを輸出するなら日本、と思い定めましたがコロナ禍に見舞われ、ようやくの船出です。
インドから届いたスパイスをブレンドし、カフェラテ用スパイスに仕立てる開発チームは私を含めた4人です。スパイス愛好家で「ペンとスプーン」スタッフの仲野恭世さん、バリスタとしてコーヒーチェーンで働く城下聡一朗さんと安部友奈さんです。試作・試飲を重ねたレシピもスパイスと一緒にお届けします。
ラテ用スパイスとは
ラテ用スパイスはカフェラテに混ぜて香りを楽しみます。出来上がったコーヒーに振りかけるだけでも香りが立ちます。
もっと深く濃く、という人には水と砂糖で煮出してシロップにして使います。サンプル品には参考レシピをお付けしますので作ってみてください。エスプレッソショットに混ぜ、フォームミルクを注ぎます。
1:パンプキンパイ用スパイス(主役:シナモン)
1種類目はパンプキンパイ・フレーバーです。パンプキンパイは北米の秋を彩るデザートです。パンプキンペーストにスパイスを混ぜ、パイ生地に流して焼きます。
パンプキンパイに使うスパイスをラテにしたのが「パンプキンパイ・ラテ」です。アメリカのスターバックスでも季節限定メニューとして登場します。
収穫の秋をイメージして、シナモンを軸にナツメグ、クローブ、ジンジャーを調合、ふくよかな味わいを演出します。
シナモンはクスノキ科の常緑樹の樹皮を乾燥させたものです。スリランカ産の「セイロンシナモン」が最高級とされています。「スパイスの王様」と言われ、スパイシーで甘く独特な香りがあり、お菓子にも欠かせません。効用としては下記になります。
・冷えの予防
・血のめぐりを助ける
・肌のシワやくすみ、目のクマの改善
・抜け毛の予防
・胃腸の働きを改善
・発汗・解熱作用、などが挙げられます。
シナモンはスターバックスにも置いてある(いまはコロナ禍でリクエスト方式ですが)なじみ深いスパイスですね。
パンプキンパイ・ラテをおすすめしたいのは下記の方々です。
〇秋(ハロウィン)を楽しみたい人に
〇いつものラテをグレードアップしたい人に
〇甘くやさしい香りをたんのうしたい人に
〇夜にスパイスのアロマを楽しみたい人に
アレンジ例としては下記になります。
・パンプキンパイ
・アイスクリームのトッピング
・シナモンロール、シナモントーストをパンプキンパイバージョンに
・バナナケーキ
・キャロットケーキ
・蒸しかぼちゃのトッピングに
・焼きリンゴやコンポートのスパイスに
・ドーナッツシュガーに混ぜて
2:ジンジャーブレッド・ラテ用スパイス(主役ジンジャー)
ジンジャーブレッド・ラテはスターバックスでも冬限定メニューで大人気です。お菓子としてのジンジャーブレッドは欧米各地で広く愛されているお菓子です。歴史は古く、古代ギリシャまでさかのぼります。小説『メアリー・ポピンズ』にも登場します。
イギリスではパウンドケーキのように焼くのが一般的です。人のかたちをしたジンジャークッキーもジンジャーブレッドクッキーと呼ばれて愛されています。
ジンジャーブレッド・ラテ用のスパイスはもちろん、ジンジャー(しょうが)です。ジンジャーには下記のような働きがあるとされています。
- 血糖値を下げる
- 血中コレステロールを下げる
- 抗菌作用がある
- 酸化を防止する
- 解熱作用がある
- 発汗を促す
- 咳をしずめる
ジンジャーのほかにシナモン、ナツメグ、クローブを配合します。ココアパウダーとあわせて深みを出してもいいですね。
ジンジャーブレッド・ラテの特徴は下記になります。
・飲む前からツンと香るスパイシーさ、焼き菓子のような香ばしさとほのかな辛みにより、体を心底から温めます。
・ホットでもアイスでも楽しめます。
・甘さが苦手な人でも、何度も飲みたくなる、クセになるおいしさです。
・ホイップとナツメグとジンジャーの絶妙なバランスです。
アレンジ例としては下記になります。
・もちろんジンジャークッキー
・煮込んでジンジャーエールシロップに
・スペキュロスに(ベルギー発祥のクッキー)
・甘酒に
・カクテルに
3:メキシカンココア用スパイス(主役・チリパウダー)
カフェラテではないのですが、ミルク(ラテ)を使ったドリンクということで「メキシカンココア」用スパイスを提案します。
アメリカでは唐辛子入りのココアを「メキシカン・ココア」と呼んでいます。スターバックスのメニューにもあり、都会的なイメージです。
スパイスの主役はチリパウダー(唐辛子)で、シナモンも入れます。インド直輸入のチリパウダーは唐辛子100%で辛味が鮮烈です。
チリの働きは下記などとされています。
・「カプサイシン」に抗酸化作用
・食欲促進
・血行促進
・新陳代謝アップ
・動脈硬化を防ぐ
・殺菌作用
メキシカンココアの味の特徴は下記になります。
・スパイシー、でも甘い、でもスパイシー、でも甘い……。めくるめく刺激とほんのり甘い後味に夢中になります。
・辛味と少し酸味のある香りは、ほんの少し足すだけで甘さを引き立てます。
・甘さを引き締める辛さで、単なるココア以上にホッと心を落ち着かせます。
・チリがアクセントになり上品な甘さになります。
・ホットにもアイスにも使えます。
おすすめしたいのは 1)バレンタインを楽しみたい方 2)甘いだけではない深みを感じたい方 3)都会的で洗練された甘さを求める方々です。
メキシカンココアのスパイスを使ったアレンジ例としては下記になります。
・ホットココアにマシュマロを溶かし、その上に振りかけても
・ココアサブレに
・ガトーショコラ、チョコレートムースのトッピングに
4:カルダモンチャイラテ・スパイス(主役・カルダモン)
カルダモンチャイはカルダモンが主役のミルクティーです。その味をイメージで、カルダモンの甘い香りを活かしたラグジュアリーなスパイスミックスに仕立てました。インド産カルダモンは色がきれいで感動、香りも際立っています。
カルダモン、シナモン、ジンジャー、クローブに加え、仕上げにローズ・ペタル(バラの花びら)をのせて「特別な一杯」を演出します。
カルダモンは「スパイスの女王」と言われています。インドの伝統医学アーユルヴェーダでは、医療用として古くから使われて来ました。
現在もインドやスリランカ、アラブ諸国をはじめ、世界各国で料理やお菓子などに使われています。アーユルヴェーダでは、カフェインや牛乳の毒性を中和させると言われています。
カルダモンチャイ・スパイスはラテに使えるほかチャイはもちろん、ミルクセーキなどの乳製品を使ったドリンクや、クッキー、パウンドケーキなどの焼き菓子に合います。パンケーキなどの生クリームにもどうぞ。
5:パンデピス・ラテ用スパイス(主役・クローブ)
パンデピス(Pain d’épices)はフランス語で「スパイスのパン」の意味です。イギリスのジンジャーブレッドとほぼ同じ焼き菓子ですが、はちみつがたっぷり入った素朴なケーキで、昔からフランスで親しまれています。
スパイスの主役はクローブ(丁子)で、ナツメグ、シナモン、ジンジャーパウダーをブレンドします。
クローブは花のつぼみで、口と鼻腔にヨモギとスパイスをあわせたような香りが広がります。カモミールを使ったハーブティーを思わせるような透き通った香りです。
クローブの主な働きは下記になります。
- 血糖値を下げる
- 血中コレステロールを下げる
- 抗菌作用がある
- 酸化を防止する
- 解熱作用がある
- 発汗を促す
- 咳をしずめる
パンデピス・ラテは控えめながらスパイスの存在感があり、スパイスの苦手な方でも楽しんでいただけます。エレガントで小粋なフランスのイメージです。クローブと甘いシロップ、温かいミルクで「クローブティーラテ」としても使えます。