スパイスとコーヒーの相性って? | おすすめは定番シナモン

スパイスコーヒー

食メディア「ペンとスプーン」ではスパイスプロジェクトが進行中です。「マサラどたら」や「ムガールこたら」(!)といった本格料理ではなく、チャイやジンジャーエールなどドリンク用はどうかな?と考えています。コーヒーとスパイスの相性を実験しました。すべて温かいブラックコーヒーにスパイスを1種類ずつ混ぜてみました。私のおすすめ1番はシナモン、2番はカルダモンです。買ってみたものの使えていないスパイス瓶があれば、ぜひ試してみてくださいね。

目次

ターメリックとコーヒー:大冒険

まずはカレー色のもと・ターメリック(ウコン)です。ブラックコーヒーに小さじ半分ほど混ぜてみました。うう、タンスの味…。

ターメリックコーヒー

Photo by Chikako TADA

[pns_speech_balloon type=”l” name=”Yasuyo” image=”https://pen-and-spoon.com/wp-content/uploads/2021/01/IMG_5864_profile_thum.jpg”]インド人家庭では夜、ターメリックを混ぜたミルクを飲んでいるよ。ジャガリー(黒糖)をかじりながら。[/pns_speech_balloon]

「ペンとスプーン」企画担当にしてスパイス愛好家・Yasuyoさんの言葉を思い出し、ホットミルクを混ぜてみました。うーん…さっきよりは「飲みもの」になったけれど。

Yasuyoさんは「ターメリックラテは砂糖入れないと飲みにくいですよね。しょうがもいいですよ」ということでした。

[pns_speech_balloon type=”l” name=”Yasuyo” image=”https://pen-and-spoon.com/wp-content/uploads/2021/01/IMG_5864_profile_thum.jpg”]スパイスを振りかけて飲むならば、ジンジャーパウダー、シナモン、カルダモン、黒胡椒、チリまでがギリかな。ターメリックは止めたほうがよいです。[/pns_speech_balloon]

ふだんブラック一辺倒なのに大冒険をしてしまいました。

手元にある「世界のスパイス百科」(鎌倉書房、T・ストバート著)をひもときました。初版は1974年、監修は辻調グループ創始者・辻静雄という古典です。ターメリックについて

ターメリックが入りすぎたカレー粉は生の味がするし、いらなくなって捨てたスパイス棚を連想させるような土臭い匂いがする。

私は「タンスの味」と思いましたが50年前の表現のほうが具体的ですね。笑いました。

チリパウダーとコーヒー:小冒険、ピリリと目が覚める

続いてチリパウダーに。辛さのもとですね。

チリパウダー

Photo by Chikako TADA

[pns_speech_balloon type=”l” name=”Yasuyo” image=”https://pen-and-spoon.com/wp-content/uploads/2021/01/IMG_5864_profile_thum.jpg”]どんな料理にでも使います。たとえひとつまみでも入れると味がしまります。あ、ホットココアにチリを入れたら激ウマだった。[/pns_speech_balloon]

悪くない!ピリリとした刺激、目覚まし効果が2割、3割増しになります。が、常用するかは別ですね。ココアにチリは毎回、入れたいですが。

グリーンカルダモンとコーヒー:独特の香りスーッ

カルダモンはカレーやチャイに使われます。

カルダモン

Photo by Chikako TADA

[pns_speech_balloon type=”l” name=”Yasuyo” image=”https://pen-and-spoon.com/wp-content/uploads/2021/01/IMG_5864_profile_thum.jpg”]こんなにきれいな緑色は日本ではなかなか売っていないよ~。香りもいい。[/pns_speech_balloon]

2-3粒をキリマンジャロにチャポンと落としてみました。カルダモンのすっきりした、独特の香りが立ちました。すりつぶして入れればさらに香りが立つでしょうね。

カナダのスターバックスのサイトでは「カルダモン・スパイスラテ」のレシピが紹介されていました。ハチミツとカルダモン、シナモン、オレンジの皮を入れるラテです。

カルダモンコーヒーは昔からアラブの遊牧民に愛されているそうです。

「世界のスパイス百科」にも、彼らが使う真ちゅう製のポットの注ぎ口にグリーン・カルダモンのサヤが詰めてあるのが「普通」との記述があります。

シナモンとコーヒー:一番お似合い

シナモンはチャイやお菓子、カレーには肉の臭みに使われます。

シナモン

Photo by Chikako TADA

シナモンスティックを入れたとたん、ものすごく香りがしました。でも飲むとそうでもなかったです。30分ぐらい入れっぱなしにしていたら、さすがに香りがコーヒーそのものにうつっていました。

フレーバーとしては一番、私は好みです。スティックをくるくる回すのも気分が落ち着きます。スティックは乾かせば香りがなくなるまで使えます。

スターバックスにもシナモンパウダーが置いてあります。ラテやおかわりに振ってみよう。

ナツメグとコーヒー:あまり存在感なし

ナツメグ入りにも挑戦しました。ガリガリガリ…とコショウ2ふりぐらいです。

ナツメグ

Photo by Chikako TADA

あまり分かりませんでした。

「世界のスパイス百科」によれば、ナツメグにはほんの少し催眠効果があるとか。夜に飲むコーヒーにいれるといいかもしれません。大量にとるのは有害です。

コーヒーにはカルダモン、シナモンぐらいがお似合いですね。「好みの世界だから何でもあり」にせず、スパイスの歴史や文化になじむような提案ができるといいなと感じました。

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この記事の著者

多田 千香子のアバター 多田 千香子 Pen&Co.代表取締役CEO

食メディア「Pen & Spoon」編集長。1970年、岡山県備前市生まれ。県立岡山朝日高校、岡山大学法学部卒。1993年、朝日新聞社入社。記者・編集者として12年余り勤務。2005-2007年、フランス・パリ在住。料理学校ル・コルドンブルー パリ校製菓上級課程修了。「パリのおやつ旅のおやつ」(朝日新聞出版)「パリの小さなキッチン」(レイチェル・クー著、翔泳社)など著書・翻訳書8冊を出版。辻調製パン技術講座(通信制)修了。2013-2020年、インド・グルガオン在住。インド三井物産などで勤務。コロナ禍で2020年に帰国後、食メディア「Pen & Spoon」を創刊。2023年6月、Pen&Co.(ペンアンド)株式会社を共同創業。週刊英和新聞Asahi Weekly(英文)、ソーシャル経済メディアNewsPicks +dでコラム連載。

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