朝日新聞社発行の週刊英字新聞Asahi Weeklyに2021年7月から連載していたコラム”Every Bento Tells a Story”が2026年3月を最後に終わりました。月1回のコロナ禍で始まり、4年8か月も続けられたことに感謝します。日々のお弁当づくりは続いているので、Pen&Spoonに執筆するほか、英語でも発信できるチャンスを探りたいと思います。
替わって2026年4月から始まったのが「In-flight meals:In the sky or at homeーあったらいいな、機内食」です。「機内食」を入り口に、旅や食のストーリーをつづります。
「この路線でこんな機内食が出てきたらいいな」というメニューを盛り合わせにして、最後にどれか一品、簡単につくれるレシピを添える、との趣向です。旅立つ雰囲気になってきた…と思ったら中東情勢が不穏ですが、旅の気分を味わってもらえたらなと思っています。英語で400ワード程度のエッセイです。
紙媒体のみの掲載ですが、書ききれなかったサイドストーリーをここ”Pen&Spoon”で(日本語で!)つづっていこうと思います。

北九州(KKJ)―カイロ(CAI)路線
初回は人生初の機内食について書きました。みなさんは初めての機内食、覚えていますか?
私は大学2年、成田からバンコク、アテネを経由してカイロへ向かう旅でした。ギリシャのオリンピック航空です。いま調べると1990年の就航で、おそらくキャンペーン価格で安かったのでしょう。岡山から深夜バスで新宿へ出て成田へ行くだけで1日がかりでした。さらにエンジントラブルで出発が遅れて結局、その日は飛びませんでした。空の上ではなく地上の機内で機内食が出されました。ステーキは硬くて切りにくかったのを覚えています。
亡き父が1970年代としては珍しかったと思いますが、社員旅行で香港に行っていました。「飛行機に乗ると食事が出る」と聞き、小学2年か3年だった私はびっくりして「雲の上での食事」にあこがれました。ああ、それなのに。
連載が決まってから「初めての機内食って覚えてる?」と 学生時代の友人に訊きました。北九州のカフェ&バー「REVERSE」で、抹茶のテリーヌをつつきながら。少し間があって答えが返ってきました。

「学生時代に友人と行ったパリ行きのフライト。メニューは忘れたけど、塩とコショウの小袋を取っておいたのは覚えてる」。
その友人は好き嫌いが多く、パリではキッチン付きの宿に泊まったものの、調味料がなかったそうです。ゆでたパスタに機内からもらった塩をかけると、とても喜んでくれたとか。後になって彼女は「機内食の塩を持ち帰るなんて…と思っていたけど助かったわ」と話したそうです。
書く内容はすぐ決まったのですが、機内食プレートの再現はあれこれ悩みました。エジプト料理を再現するのも私自身は取って付けた感じがしたからです。今後も頭をひねりそうです。
4月号掲載ということで、レシピは桜ガレットです。友人が土産にもたせてくれた、北九州名物「シロヤ」のサニーパンもプレートに載せました。とろける練乳を受け止めるパン生地はザラッとしたバゲット風で、大好きです。
次回は2026年5月3日・10日合併号に掲載の予定です。
















