桜の花が愛らしい桜サブレ(クッキー)を作りませんか。拙著「パリのおやつ旅のおやつ」(2011年)で「桜ガレット」として紹介してもう10年、毎年「作りました!」と報告してくださる方もいます。
作ってみたい、でも型がない!という人でも大丈夫です。アーモンドプードルなし、黙らせサブレ(ディアマンクッキー)と違って中力粉も使いません。桜の塩漬け+材料4つ、薄力粉だけでサクサクのかみごごちが楽しめます。らんまんの春を楽しみましょう!
桜の花の塩漬け、どこで買える?:スーパーなら「お茶売り場」
輸入食品チェーン・KALDIはお花見シーズン、「桜コーナー」が設けられます。目立つのですぐ見つけられます。同じような輸入食材を扱う「ジュピター」も「桜茶」としてありました。
近所の成城石井にはありませんでした。店員さんに訊きましたが「桜の塩漬け…」とかたまってしまったので「い、いいです~」と。イオン系(マックスバリュ)や西友にはもちろん(!)姿なしです。
スーパーであるとしたら「お茶売り場」です(私は製菓コーナーをうろついてしまいました…)。
オンラインなら確実です。富澤商店、cottaなどで扱っています。
【富澤商店】桜花の塩漬 / 60g | 税込410円
桜サブレにするほかおにぎりに混ぜたり、桜茶(お湯に浮かべる)にしたり、お弁当の彩りにもなります。たっぷり楽しみましょう。
型抜きクッキーを型なしで作るには:薄いコップ、つまようじ入れで
同じレシピで作る「ごまガレット」はプラスチックの「つまようじ」入れで作りました。直径5㎝です。
桜サブレはプリンが入っていたガラス容器を使いました。直径7㎝です。薄手のガラスコップや茶筒でもいいですね。「型がない」といってあきらめず、ぜひ作ってみてください。のばしてナイフで切るだけでもOKです。
桜の思い出:故郷・岡山の後楽園
「桜ガレット」をレシピ雑誌で紹介したのは2011年春でした。満開のサクラを故郷の岡山・後楽園かいわいで迎えました。岡山大での学生時代以来、20年ぶりだったはずです。
「芝コン」(芝生の上でのコンパをこう呼びました)中とおぼしき学生グループも見かけました。一緒に行ってくれた同窓Y子さんと言い合いました。
「きっと新歓だろうね」「そうそう、まだ打ち解けてない感じがするし」。
私も芝コンの輪に加わりぎこちない乾杯をし、缶ビールをもて余していたっけ。
ふいにグッときました。岡山で生まれて22歳まで、毎年4月になれば咲き誇る桜の木に見守られ、学年をひとつ上がりました。
出会いと別れを繰り返して23回目の春、社会へ出るのと同時に慣れた街を巣立ってしまったのだな、と。
当たり前だった日常が遠くなったせいか、胸が熱くなったのをよく覚えています。
桜サブレのレシピ:型抜きクッキー、アーモンドプードルなし
材料
- バター(食塩不使用) - 90g
- グラニュー糖 (てんさい糖) - 50g
- 卵黄 - 1個
- 薄力粉 - 120g
- 桜の花の塩漬け - 15個
作り方
- バター90gは2㎝角ぐらいに切ってボウルに入れます。室温に戻ったら砂糖50gを加えます。
- 泡立て器でよく練ります。白っぽくなるまでかき立てます。
- 卵黄1個を混ぜます。
- 泡立て器でしっかり混ぜます。
- クリームのようになってムラなく混ざればOKです。
- 薄力粉120gをバターのボウルにふるい入れます。
- ゴムベラで切り混ぜます。まずそぼろ状にします。
- だんだんしっとりして粉けがなくなります。
- しっとりすればOKです。
- ラップなどにのせてひとまとめにします。
- 早く冷えるように平べったくして包みます。冷蔵庫で30分以上は休ませます。
- 桜の花の塩漬け15個は水に浸しておきます。塩けを抜くためです。
- 台に打ち粉(できれば強力粉、分量外)をふって生地を置きます。
- めん棒を前後左右に転がしてのばします。厚さ7㎜ぐらいにします。
- 丸型かコップで抜きます。まずぎゅっと生地に押し当てます。
- 型を外したら下にカードかフライ返しを差し込んではがします。オーブンシートを敷いた天板にのせます。
- 桜の花はペーパータオルなどで水けを切ります。1~2個ずつのせます。
- 桜の花は上から指で押さえつけます。170℃に温めたオーブンに入れて12~13分ほど焼きます。
- ふちが色づけばOKです。
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Notes
- 直径5㎝なら基本の分量で20枚ぐらい作れます。
- 粉を入れたらできるだけ練らないようにします。
- 冷めたら密閉容器に入れて冷蔵庫で保存します。1週間ぐらいは大丈夫です。
- 桜の塩漬けはもちろん食べられます。生地にのせたら軽く押し付けてくださいね。