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【蜜蝋ラップ/エコラップとは】使い方やデメリット感想

みつろうラップ

「エコラップ」「みつろうラップ」などと呼ばれる「ラップ」をご存じですか。食品を包むのに繰り返し使えるしなやかな布です。それって何?から買える場所、向き・不向きな使い方、かかるコストまでお伝えします。

「みつろう」とは:ミツバチが巣作りのために出すロウ

「みつろう」は「蜜蝋」と書きます。英語ではBeeswax(ビーワックス)、フランス語ではCire d’abeille(スィル・ダベイユ、アベイユが”ハチ”)です。どちらも「みつろう」というより「ハチろう」ですね。

その名の通りハチが体から出すロウのことです。ミツバチはロウを体から出して(分泌して)巣をつくります。紀元前エジプトではミイラの保存に、19世紀ごろまではローソクの材料として使われてきました。

ロウには保湿力があり、リップクリームなどの化粧品のもとです。抗菌性も高く止血剤や軟膏に使われています。天然の油脂なので「子どもが口に入れても安心」とみつろう由来のクレヨンや粘土もあります。もちろんローソクにも。木工用品や靴のツヤ出しとしても人気が高まっています。

私にとって「みつろう」といえばカヌレです。フランス・ボルドー地方の伝統菓子にもみつろうが欠かせません。銅の型を1個ずつ買っては(お値段も張るので)作っていました。

カヌレ

カヌレ型にパラパラッと粒状のみつろうを入れ、オーブンで温めるとすぐ液体になります。みつろうは65~70℃で溶けます。型をぐるっと傾けて全体に回すとすぐに冷えてかたまります。そこへ生地を流して焼きます。冷めるとツヤツヤ、カリカリッとしてたまらないお味です。日本でも流行しましたね…いっとき。

「みつろうラップ」とは:みつろうをしみこませた布

古くから使われていたみつろうがラップになったのは2010年代からです。マイクロプラスチック(ペットボトル、食品トレー、レジ袋、食品ラップ、ストローなど)による環境汚染が世界的に問題となったころです。

要は「みつろうを薄くしみこませた布」です。こだわりのある作り手が多く、布もオーガニックコットンが多いです。ホホバ油やココナッツ油を加えている製品もあります。

みつろうラップの長所:保湿性・通気性が高い | 包みやすい | 何度も使える

長所としては下記になります。

  • ピタッとくっつく:しなやかで包みやすいのにハリがあるので形を保ちます。
  • 繰り返し使える:洗って自然乾燥させています。
  • 保湿性・抗菌性がある:食品や野菜が長持ちします。
  • 通気性がある:そもそも布ですので密閉にはならず、においがこもりません。
  • 口に入れても安心:子どものおやつにも安心して使えます。

みつろうラップの注意点:電子レンジNG・酸に弱い・ベタつきがある

熱いもの、反対に極端に冷たいところ(冷凍庫)も避けたほうが長持ちします。繰り返し使えるとはいえ少しずつみつろうが取れ、くっつかなくなります。もっとも単に布として使えばいいだけですが。

  • みつろうは65℃前後で溶ける:熱に弱いですので電子レンジでは使えません。炊き立てごはんも避けたほうがいいです。
  • 酸に弱い:レモンやパイナップルは包まないほうがよいです。
  • 油脂なのでベタつきがある:製品によりますが最初は気になるかもしれません。

みつろうラップ、気になるお値段は | 小中大3枚で2,000円台

オンラインでも買えます。日本だと3枚セットで2,100円~2,300円ぐらいです。

Amazon.com(アメリカ)では下記ブランドが売られていました。やはり2,000円程度ですね。

Bee’s wax:米バーモント州で2012年、3児の母である女性が創業。3枚で18~19ドル。

Abeego:2008年創業。3枚で18ドル前後。

LilyBee:ニュージーランド北島の作り手。3枚で26NZドル(1,800円)、日本へ宅配料が16NZドル(1,100円)で合計42NZドル(2,900円)。

みつろうラップの使い道:弁当包み・おにぎり・野菜に

筆者(多田)が初めて「みつろうラップ」を手にしたのは1年前です。プラスチックを減らそうという「意識高い系」からスタートしたのではありません。住んでいたインドで日本の「サランラップ」を切らしたからです。

日本のラップは優秀です。おまけに安すぎです。筆者が暮らしたフランスでもインドでも、サランラップに比べたらヘナチョコ・ラップしかありません。それなのにまぁまぁのお値段がするのが悔しくて、みつろうラップの世界(!)へ足を踏み入れました。

在インド時代に3つのブランドを試しました。

まずは南インドのブランドです。インド在住の友人が「取り寄せるから一緒に」と声をかけてくれました。南インド・タミルナドゥ州の女性グループによる製品でした。

Hoopoe on a hill(丘の上のヤツガシラ)という名の通り、鳥があしらわれていました。

amazon.inで3枚セット、435Rs+75Rsの配達料、合計510Rs(750円)でした(2019年購入当時)。日本や欧米の3分の1ですね。安いですが、インドにいると500ルピーってまぁまぁ大金に思えるので結構するなあと思ったものです。大中小とも同じ柄でした。

インドで買ったエコラップインドのAmazonで買ったインド産みつろうラップ

試しにお弁当包みとして巻いてみたら…

弁当包みにみつろうラップ弁当包みにぴったり Photo by Chikako TADA

包み終わりを少し引っ張ればくっつきます。結ぶ手間がなくてラクちん、子どもでも大丈夫です。汚して帰ってきてもサッと拭くか水洗いでOKです。

おむすびも直に包みました。手のひらにのせたい愛らしさです。ラップフィルムと比べてしっかりしているので、かばんの中でグジャッとなりにくいです。

おむすびにもみつろうラップおむすびにもみつろうラップ Photo by Chikako TADA

このオレンジさん、試した3ブランドの中で一番ベタベタしました。くっつきはその分よかったです。

通販で買わずとも近所の雑貨屋にありびっくりしました。

タイのみつろうラップタイのみつろうラップ Photo by Chikako TADA

SUPERBEE」というタイ東北部チェンマイのブランドです。

写真左の大1枚(33cm角)が200Rs(300円)、小さいサイズ(20cm角、3枚入り)が150ルピー(210円)でした。なんとインド産より安かったのでした。雑貨屋のご主人がおためしで輸入してみたような感じでしょうか。

通気性も上々です。野菜販売を手がける友人が言った通り野菜を包むと効果てきめん、長持ちします。

みつろうラップで野菜を包むこの緑色のブドウがおいしい Photo by Chikako TADA

ただし…野菜を包むだけなら新聞紙でもいいですよね。インドの新聞や紙は…食べ物を包むのにちょっと抵抗が(においが独特)あり、みつろうラップが活躍しました。

でも日本は新聞を購読していなくても、ため息が出るほどまだまだ「紙さま」の国です。質のいい広報紙やパンフレットなどがタダで手に入ります。みつろうラップだと繰り返し使えるのがいいです。

が、さらに思いました。繰り返し使えるというだけなら「さらし」でも十分かも、と。用途によって使い分けられるといいですね。

エコラップで包むPhoto by Chikako TADA

「SUPERBEE」は世界中に輸出されているようです。日本でも買えます。

運営は「BeeConcious」(BeではなくBee)という会社で、タイ東北部チェンマイから1時間ほどの村にあるそうです。女性のエンパワメント、ゼロ・プラスチックなどをめざしているとウェブサイトにあります。

エコラップはベタベタした手触りなのが難点ですが、SUPERBEEはそれほどでもありませんでした。半年ほど使っていて若干、弱くなった気はしますがまだ使っています。

みつろうラップの意外な使いみちは

気に入ってAmazon.inで別のブランドも頼みました。Madhu Wrapです。Madhuはヒンディー語で「はちみつ」です。インドの商都ムンバイから届きました。ジュートのラッピングも素敵です。たくさん頼んだのでオマケということか、あずま袋も!「FUROSHIKI」なども売っていて、オーナーは日本びいきのようです。「Amazon.inでレビューを書いてね」とあずま袋についたタグに書かれていました。

ムンバイのみつろうラップムンバイのみつろうラップ Photo by Chikako TADA

このラップは当時、勤めていた会社で購入しました。目的は「おしぼり入れ」として使うためです。30℃を超す暑さのなか世界遺産・タージマハル観光に向かうVIPのため、おしぼりを車に用意したかったのです。日本なら使い捨てがありますがインドではなく、あったとしてもVIPにお出しするには少々、心もとなくもありました。おしぼりトレイは備品にあったのですが車中だし…。そこで思いついたのがみつろうラップでした。

濡らしてかたく絞ったハンドタオルをくるくる丸めて筒状にし、ラップでくるんでからクーラーボックスへ。ポリ袋に入れるよりも素敵だし、広げたタオルもしまいやすいです。「恵方巻」として人気だったと聞きました。日本だとプラスチックの専用容器もありますが、みつろうラップのが機能的にも上です。

みつろうラップ、手づくりにもトライ:うまく行かず

手づくりみつろうラップ手づくりにもトライしましたが…

ウェブで読む限り簡単そうに書いてあったので「私にもできるかも」とペレット型のみつろうを買いました。Amazon.inで100g入り200Rs(280円)でした。日本だと800~900円ですね。

作り方はコチラを参考にしました。ボタン付けさえ縁遠い私ですが縫うわけじゃないし楽勝だろうと思ったのです。

オーブンシートにハンカチを広げ、みつろうをパラパラ落としたらもう1枚オーブンシートをのせて挟みます。あとはアイロンで溶かして伸ばすだけ…なのですが、量を適当でやったせいかまだらになりました。あわててみつろうを足したら厚すぎたのか、パキパキ白い筋がさっそく出てしまいました。

「やはりハンカチはハンカチとして使ったほうがいい」という結果に終わりました。何枚かやればコツがつかめるのでしょうか。

まとめ:みつろうラップ、こんなときこそ使いたい

持ち味を一番ひきだせる使い方を紹介します。ちょっとお値段が張るからこそ、「ここぞ」で使いたいですよね。

ゆくゆくは紙箱の替わりとして、菓子折や「おやつセット」のラッピングに使うのが私の野望!です。

食べて終わっても使ってね、という気持ちを添えて贈りたいですね。

お弁当・おむすび・サンドイッチ包みとして:結ばなくていいのは布に勝り、かたちが保たれる点はラップフィルムに勝ります。

おしぼり入れとして:水をはじくのでちょうどよいです。お客様に出す前にテーブルにのせておいても乾きません。

スナック包みに:日本のスナックは個包装しすぎです。プラスチックを減らすためにも自分で分け分けしたいですね。

Author
Chikako Tada
Chikako Tada
食メディア「Pen & Spoon」編集長。元・朝日新聞記者。ル・コルドン・ブルー・パリ校製菓ディプロム取得。パリⅢ大学で仏語を学ぶ。TOEIC895点。辻調製パン技術講座(通信制)修了。フランス・スイス・NZ・インド・タイ・香港で食セミナー/指導。

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