自家製オイルサーディンのレシピを紹介します。缶詰とは別ものです。しっとりふっくらして「イワシってこんなにおいしかったっけ?」とうなります。「油で煮る」だけ、どこのスーパーでも買える材料で作れますよ。
低温の油で「煮る」コンフィ(Confit)
オイルサーディンは低温の油で煮てつくります。フランス料理では「コンフィ(Confit)」と呼ばれる調理法です。Confitだけだと「保存」との意味で油漬けに限りません。塩漬けや砂糖漬けもすべて含まれます。甘いジャムは「コンフィチュール」(Confiture)として日本でも定着していますね。
私はパリ製菓留学中に覚えました。鴨とか砂肝とかサバとか、買うとそれなりにするし塩けがきついので自分でコンフィにしていました。鴨なんて骨からほどけるようで、砂肝も驚かれるほどやわらかくなります。
パリで当時、唯一持っていた鍋だった赤い18㎝のル・クルーゼに材料を入れて弱火にかけるか、オーブンで火を通すかしていました。
鴨のコンフィはインドでもよく作りました。買い出し先のバンコクで骨付きの鴨もも肉が安かったのです。パリのバーゲンで買った黒い楕円形のストウブが活躍しました。
7年住んだインド・ニューデリー近郊では海も(川さえも)遠く、新鮮な魚の味なんて忘れそうでした。一時帰国してインドに戻る直前、魚屋さんでマイワシを買い、オイルサーディンにして運んだものです。缶よりもよほど大きくてフレッシュで、しばらく楽しめました。
10数年連れ添ったル・クルーゼもストウブも、コロナ禍のインドへ置き去りに…。でもオイルサーディンは長く煮ません。どんな鍋でもおいしく作れます。
何より好きなのは素材の味がしみた「油」です。「だし油」と呼びたい。本当なら飲み干したいぐらいですが(理性で止めています)、アヒージョのようにバゲットに浸して食べるのが喜びです。
オイルサーディンのアレンジ:丼、パスタ、カナッペ
自家製オイルサーディンは10分~15分ほどで作れます。和洋にも、ハレの日にもケの夕食にも役立ちます。
まずはアツアツごはんで丼じたてに。卵黄としょうゆをかけると…9歳児まっしぐらでした。
パスタは「だし油」を堪能するのにピッタリです。ゆでたパスタにからめるだけです。しつこいようですが飲みたい。
アペリティフのおともにも。レモンと玉ねぎスライス、チーズをふって。ぜひ作ってみてくださいね。
自家製オイルサーディンのレシピ
道具
- 鍋
作り方
- イワシ300gは魚屋さんで頭と内臓を処理してもらうとラクです。
- 頭を落とします。
- 包丁を差し込んで内臓を取り除きます。
- 水300mlに8%の塩を混ぜて溶かします。
- 容器に入れて塩水を注ぎます。
- 完全に浸るようにします。ジッパー付き袋に入れてもいいですね。
- 冷蔵庫に2時間、置きます。2時間以上になるとしょっぱくなります。
- イワシは食塩水から出してキッチンペーパーで水分を取り、小さな鍋に入れます。サラダ油200ml、ニンニク1かけを加えます。油の量はひたひたになるよう増減してください。
- 弱火にかけます。
- 周囲がふつふつとしてきたらふたをします。10分ほど弱火で煮ます。
- そのまま冷まします。油ごと密閉容器で保存します。
- イワシは開いて骨を取ってから煮てもOKです。
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Notes
- 冷蔵庫で1週間は保存できます。
- サラダ油は鍋のサイズで量を加減してください。
- オリーブ油とサラダ油を半々にしても。
- フレーバー付きにしても。ローリエや鷹の爪、レモン、ローズマリー、コショウなど相性がいいです。
- アツアツのごはんにサーディン、卵黄としょうゆをたらして「サーディン丼」がおススメです。
- 煮た油はパスタにどうぞ。バゲットを浸して食べてもおいしいです。