圧力鍋ご飯の炊き方を紹介します。7年住んだインドから持ち帰ったHawkins社の「おもり式」を毎朝使うこと1カ月、ようやく慣れました。圧力鍋ご飯のメリット・デメリットや水加減についても紹介します。海外暮らしやキャンプ、停電といった非常時にも助かります。
圧力鍋とは:おもり式とスプリング式
密封して火にかけることで鍋の中の圧力を上げます。沸点が110~120℃以上になって早く調理ができます。
圧力の調節の仕方によっておもり式とスプリング式に分けられます。
おもり式はフタの小さな穴におもりをのせます。圧力がかかると蒸気がおもりを押し上げて逃げ道ができ、圧力を一定に保つというシンプルな仕組みです。プシューと音がします。
日本ではピース圧力鍋(会社名は鋳物屋)、北陸アルミニウム(本社・富山)が昭和から知られています。
スプリング式は穴にバネを入れて圧力を調節します。ドイツのフィスラーやWMF、フランスのティファールといったブランドが有名です。
フィスラーを十数年前、友人からもらいました。でも使いこなせずに手放してしまいました。静かなので逆に火を弱めるタイミングが分かりませんでした。何事も慣れ次第、もったいないことをしました。
小さい圧力鍋・インドのHawkins1.5リットル
インドは「圧力鍋大国」です。一家に一台(いやそれ以上)、カレーづくりの必需品です。私が使っているのはインドの国民ブランド・Hawkinsの一番小さい1.5リットルです。1959年創業、もちろん昔ながらの「おもり式」です。世界中に輸出されています。amazon.co.jpでも買えます。
1.5リットルはキャンプや登山に需要があるようです。確かに日本や欧米ブランドの圧力鍋は小さくても2.5リットル~3リットルですね。アルミ製で873gと軽いです。場所もとらずレトロでカワイイです。揚げ物鍋としても使っています。内側に少しふちがあるので油ハネが減るし油も少なくて済みます。
底には圧力値(作動圧力)も書かれていました。1.0kgf/㎠(キログラムフォース、十両キログラム毎平方センチメートル)です。1.0kgf/㎠≒100kPa(キロパスカル)です。
80kPa~150kPaが「高圧」に属するためHawkinsの鍋もフィスラーなどに劣らず、小さいながらも標準的なパワーといえます。

圧力鍋Hawkinsの開け方・閉め方・洗い方
ふたの開け閉めにコツが必要です(慣れたら簡単ですが)。
ふたには「ゴムパッキン」「おもり」がセットです。外して毎回、洗っています。使う前にゴムをはめておもりをのせます。

ゴムはハンドルの中に入れてからはめます。

ふたの閉め方から。そのままのせると入りません。

90度回転させても入りません。

手前でも向こう側でもどちらでもよいのでふたを斜めに傾け、鍋の中に滑り込ませます。

片側を沈めたらハンドルを手前に戻します。すると反対側も中に入るのでぴっちりはめます。

左のように微妙にズレているとうまく加圧されません。ピッタリはめましょう。
圧力鍋の注意点:アルミ製なら重曹NG、容量が大切
重曹はNG
アルミ製なので重曹を入れると黒ずみます。ハイ、うっかりやってしまいました。洗剤が重曹入りだったのを忘れていました。無害なのでそのままにしていますが…。酢やクエン酸を入れて煮ると元通りになるので、またやってみます。
容量は3分の1まで
煮豆や炊飯は容積の3分の1ぐらいまでにします。多いと蒸気口から水分が出てきます。カレーやおでんでも3分の2が目安です。
1.5リットルの鍋ならコメ2合(300g)が限度です。いつも250gを炊き、お弁当3人分(炊きあがりは580gぐらい)になります。1~2人暮らしなら十分です。
すぐ動かさない
火を止めた直後に動かすとプシュー!とまた蒸気が出ます。2~3分はコンロに置いたままにしたほうがよいです。
圧力鍋でご飯を炊くメリット・デメリット
新聞記者としての初任地・新潟でコメのおいしさを教わりました。洗い方、炊き方、保存までこだわりがすごい!勉強になりました。
圧力鍋で炊くメリットは①すぐ炊ける(浸水なし)②早く炊ける②モチモチに炊ける、です。
①は逆に浸水すると水を吸い過ぎてベチャベチャします。すぐ炊かない場合は洗ったら水を切って冷蔵庫に入れています。
②が私には最大のメリットです。プシュー(加圧)から5~7分でOKです。
③のメリットは海外在住者にはうれしいですね。水加減やおコメの種類によってはモチモチしすぎるので、炊飯器やお鍋で炊くのと同様、最初は工夫が必要です。
もうひとつ、フタが「ガチャ」と勝手に落ちるのを待つのが楽しいですね。いただきます、の合図です。
デメリットは①たまにモチモチしすぎ②鍋を洗うのが面倒、です。私のHawkinsはIH調理器には使えないのでそれもデメリットです。
②はすぐ洗わず、しばらく水に浸けておけばいいのですが…。フッ素樹脂加工された炊飯器の「かま」にはかないません。フッ素コーティングがはがれる心配もないですが。
圧力鍋ご飯「モチモチし過ぎ」は加熱しすぎか、水が足らないか
コメ1合(180ml、150g)につき水およそ200mlというのが定番です。容積に対して1.1~1.2倍にあたります。お米にもよりますが圧力鍋だと少し水分を減らし、1:1でもいいようです。
写真は3回、洗う前の生米100gです。


3回ほど水を替え、それぞれ20回ずつ混ぜてすすいだあとに水を切って測りました。124gになりました。洗うだけでも水を吸って25~30%増しになります。
下記は「生米を洗い」「ざるにあげて水けを切って」からの水分量と炊きあがったあとの重さの目安です。
生米 | 洗浄後の米の重さ | 水(生米の重さの2割増し、容積と同じ) | 炊飯後のごはんの重さ | おにぎり(100g) |
0.7合|100g|120ml | 125g | 120ml | 220g | 2個強 |
1.0合|150g|180ml | 190g | 180ml | 330g | 3個強 |
1.3合|200g|240ml | 250g | 240ml | 440g | 4.5個分 |
1.7合|250g|300ml | 310g | 300ml | 550g | 5.5個分 |
2.0合|300g|360ml | 375g | 360ml | 660g | 6.5個分 |
おもり式圧力鍋でのご飯の炊き方
道具
材料
- コメ - 100g
- 水 - 115g~120g(コメの重量の15~20%増し)
作り方
- コメをザルに入れてたっぷりの水で洗います。コメ1合(180ml)は150gです。
- 最初の水はすぐにすすぎます。
- 水を替えてまた指先で20回ぐらい回します。こすらなくてOKです。
- 水は少し白っぽいぐらいでOKです。
- 圧力鍋に入れます。浸水させる必要はありません。
- コメの重さに対して15~20%増しの水を注ぎます。1合(150g、180ml)なら180(ml)ぐらいにします。
- ゴムパッキンをふたの周辺にはめます。おもりを取り付けます。
- ふたの取っ手を握ります。そのままだと鍋の中に入りません。
- 左右どちらでもよいので取っ手を直角に回すと鍋の中にふたが納まります。
- また直角に戻して鍋の取っ手と合わせます。ふたがずれないようにぴっちりはめます。ずれていると圧力がうまくかかりません。
- 取っ手の端についている金具を引っかけてロックします。
- 強火にかけます。圧がかかって「プシュー」と蒸気が出るのを待ちます。機関車が近付いてくるように「シュシュシュシュ…」となります。
- プシュー!と鳴ったら火を弱めます。5~6分、炊きます。
- シュッシュッシュッ…という音が聞こえる程度の火加減です。時間が来たら火を止めます。すぐに動かすと蒸気がプシュー!と激しく出るので注意しましょう。ロックを外します。
- ふたが自然に落ちればOKです。6~8分ほどかかります。
- しゃもじで混ぜずにそのまま茶碗によそっています。
- 鍋を洗うのは水に浸してからにします。くっついたコメが落ちやすいです。
Video
Notes
- アルミの鍋を重曹で洗うと黒ずむので避けましょう。
- ご飯の重さの目安:レトルトごはん=200g、コンビニのおにぎり=100g、弁当チェーンのご飯(普通)=250gです。