フランスの家庭料理であり、カフェの定番メニューでもあるキッシュ・ロレーヌの作り方を紹介します。「キッシュ」とは卵と生クリームを混ぜた液(アパレイユといいます)を、甘みのないタルト生地に流して焼いた「おかずパイ」です。アツアツはもちろん、冷めてもおいしいです。レシピは拙著「世界のおやつ旅」にも載せました。ぜひ覚えてくださいね。
キッシュとは
キッシュはフランス語で「Quiche」と書きます。ドイツ語で「ケーキ」を意味する「クーヘン(Kuchen)」から来ているとされています(Wikipediaより)。
パート・ブリゼ(Pâte Brisée)と呼ばれる塩味タルト生地を型に敷き、卵とクリームを混ぜたアパレイユ(液)を流してオーブンで焼いた「おかず」です。具は野菜や肉・魚系など何でもありです。持ち運びができるのでピクニックにも欠かせません(だれかがもって来ているイメージです)。
フランスならカフェやパン屋さん、トゥレトール(おそうざい屋さん)にも並んでいます。「キッシュ・ロレーヌ」のほか「キッシュ・プロヴァンサル(南仏プロヴァンス地方)」といえばズッキーニやトマト入り、鮭とホウレンソウなどがあります。
この写真はパリで出張料理人をしている知人が焼いてくれた、パプリカたっぷりのキッシュです。
私はパリ製菓留学から戻って開いた京都のアトリエ時代、よく作りました。前もって用意できて、ちょっと華やぎます。「闇キッシュ」などと称して、冷蔵庫にあるもの何でも具にしていました。
キッシュ・ロレーヌとは
「キッシュ・ロレーヌ(Quiche Lorraine)」はフランス北東部・ロレーヌ地方のキッシュとの意味です。キッシュといえば「キッシュ・ロレーヌ」が一番、よく知られている定番です。
「キッシュ・ロレーヌ」の具は「ラルドン(Lardon)」と呼ばれる棒状のベーコンとチーズ(グリュイエールやエメンタール)だけ、シンプルです。リッチな素材を使うせいもあるのか、あまり深い型で焼かないイメージです。
パート・ブリゼとは
パート・ブリゼ(Pâte Brisée)は塩味のタルト生地です。ブリゼは「壊れた、もろい」といった意味で、バターを粉に切り込んで粉々にしてつくることから名付けられています。
生地そのものには甘みがありません。おかずパイであるキッシュのほか、リンゴのタルトなどにも使われます。フランスならスーパーでもロール状になって売られています。手作りしても簡単です。冷凍保存しておけば便利です。ぜひつくってみてくださいね。
キッシュ・ロレーヌのレシピ
材料
- 薄力粉 120 g
- 塩 - 小さじ½ / 2 g
- バター(食塩不使用) 60 g
- 水(または牛乳) - 大さじ1 / 15 ml
作り方
キッシュ生地をつくる
- 室温においてやわらかくしたバターをゴムベラで練ります。60 g バター(食塩不使用)
- マヨネーズ状になればOKです。
- 薄力粉、塩をバターのボウルにふるい入れます。120 g 薄力粉, 2 g 塩
- ゴムベラかカードで切り混ぜます。砂状になればOKです。
- 牛乳を散らし入れます。15 ml 水(または牛乳)
- ゴムベラで切り混ぜます。しっとりまとまってきます。
- 平たくまとめます。オーブンシートかラップに包んで30分以上、冷蔵庫で休ませます。
- オーブンシートに挟んだままめん棒で7mm幅にのばします。
- オーブンシートを敷いた型にのせます。
- 型に敷き込みます。
- はみ出した余分な生地は切り落とします。
- 指で押して型にぴったり沿わせます。フォークでつついて空気穴をあけます。170℃のオーブンで15~20分ほど焼きます。
- うっすら色づけばOKです。もし穴が開いていれば余った生地で埋めます。
Video
Notes
- ブリゼ生地はフードプロセッサーがあれば材料をすべて入れるだけ、あっというまです。バターは2㎝ぐらいに切って入れます。
- アパレイユは生クリームなし、全量を牛乳にしてもOKです。