無印ヘクセンハウス<お菓子の家>作り方とアレンジ

手袋
失敗を教訓にポイントを詳しく紹介しています。最大のコツは楽しむこと!どんなぶきっちょさんでも必ず作れますよ。
ヘクセンハウス

無印良品のキット「自分でつくる 生地からつくる ヘクセンハウス」(税込1,190円)を使ってグリム童話の「お菓子のおうち」を作りましょう。公式レシピにはない「攻略法」です。詳しい流れとコツを書いています。ぜひ参考にしてくださいね。*アレンジを追記しました。

目次

MUJI「自分でつくる 生地からつくる ヘクセンハウス」とは

2010年ごろにはすでに販売されていたように思います。現在は1,190円です。人気ですぐ売り切れるようです。

昨年まではアレンジコンテストが開かれていました。ヘクセンハウスに限らず対象商品を使ったクリスマスデコレーションをInstagramに投稿する仕組みです。

今年はなんと「まちづくり」!ヘクセンハウスだけに的を絞っています。つながりがテーマ、素敵です。

インド1作目:ツヤなし仕上げ、ドアさかさま

2年前に初めて作りました。暮らしていたインドに持ち込みました。岡山マラソン(11月11日)に出るため一時帰国して手に入れました。

私は組み立てただけです。会社勤めだったうえ当時はハウスキーパーがいました。彼女に説明して焼くまでしてもらいました。きちんとしていて細かい作業も得意でした。

ほぼ完ぺきですが2つ、MUJIの手本と違う点があります。分かりますか?

2018年

Photo by Chikako TADA

ツヤ出しの卵黄を塗っていません。

インドのケーキは卵なしが基本、卵黄を塗らなければアイシング以外はベジタリアンの子でも食べられます。コドモの学校に持っていかせました。見た目も素朴で、コレはコレでよい感じです。

もう一つは扉の位置が右寄りです。型紙の表と裏を逆にして焼いたようですね。

ダージリン出身の彼女にうまく通じなかったか、そもそも伝え忘れたか…。ならば扉もドアノブも反対にして取り付ければよかったかな。

日本1作目は痛恨のエラー、壁がない!

日本に本帰国した今年はもちろんイチから自作です。1作目は失敗しました。てんまつはYouTubeにまとめています。

まずは細かいミスを。

  • バターと砂糖を混ぜすぎた→まとまらずに作業が大変
  • 小さいパーツは焦がしてしまい、抹茶も真っ黒に
  • ハケがない&水で薄めずに卵黄液を塗った→ムラになった。塗らないほうがよかった
  • 表札がMUJI見本だと「Xmas」→うーん、「Xmas」って日本だけだしな…→何の気なしに「Noël」と書く→コドモが「ボクの名前じゃない」とむくれた

どれも小さい小さい。大ポカが待っていました。クッキーだけ焼いて1週間後、組み立てようとして気付きました。後ろの壁がないのです。

え?どこ?焼かなかった?

気が動転してしまいました。型紙はすぐゴミ箱へポイ、もうありません。余った生地もすべて焼いていました。救いようがありませんね。フツー忘れる?です。

いまにして思えば自分でクッキーを焼けばよかったかも…。でもあまりの失敗に焼くエネルギーは残っていませんでした。

とりあえず後ろ壁なしで組み立てました。

やる気も失せてグダグダです。焦げは抹茶のデコペンでごまかせましたが、後ろ壁なしは欠陥住宅にもほどがあります。よく屋根が持ちこたえていまます。

失敗ハウス

Photo by Chikako TADA

いやオープンエアと言えなくもないか。サンタさんがエントツからわざわざ入る意味も…ありませんが。

日本2作目:ちゃんとできた!:キット製作者の思いも感じる

2作目のために近所の無印に行ったら売り切れ…あせりました。翌日には再入荷しましたが念のため2箱、買いました。もう自分が信じられないので。ハケも手に入れました。

万全を期して再挑戦、無事に組み立てられました。ホッ。

余裕が出たせいかキット製作者の思いまで感じました。

たとえば窓枠は下のサンだけ抹茶で作るよう指定されています。ガーデニングしているイメージなのでしょうか。ニクイですね。

屋根

Photo by Chikako TADA

気をつけて

Photo by Chikako TADA

レシピもこまやかです。アイシングがやわらかすぎた場合に備え、粉砂糖大さじ1をとっておく、とありました。

慣れていないと卵白は多めに入れがちなのでありがたい心配りです。

前述しましたが表札の作成例「Xmas」はどうかなと思います。「X」を使って「Christmas」を意味するのは日本以外ではあまり見かけない気がします。

そうそう箱の横はものさしになっていて、生地をのばす目安になります。

ものさし

Photo by Chikako TADA

余った生地はどうする

余った生地は「お好みの形にして焼いてください」とレシピにあります。

余り

Photo by Chikako TADA

日本1作目は細かいパーツを余分に焼きました。

でも1週間おいて組み立てたせいか結局、どれがどれなのか混乱しました。整理ベタすぎな私のような大ざっぱ教徒は焼かずにナマ生地をとっておき、組み立てになって「あ、ない!」と分かってから焼くとよいと思います。

このためにも型紙は焼いたあとも捨てずにとっておきましょう。生地はあるのに型紙を捨ててしまっていては追加で焼けません。

せっかく切った型紙です。来年までとっておいてくださいね。再利用してキットなしで自作できるようレシピを紹介したいと思っています。

所要時間は「180分」:いや4時間超え。ゆっくり楽しんで

所要時間は180分と箱にありますが、午前8時にスタートして昼食をはさみ、完成したのは午後1時でした。

YouTube撮影をしながらだったので4時間はかかりました。

1人でちゃっちゃとすれば180分でできるかもしれませんがおもしろみに欠けます。つくるのをゆっくり楽しみましょう。

日本3作目:アレンジ版、ミニハウス3棟&サンタのソリ

1作目は後ろ壁を焼き忘れるという大ポカのため失敗しました。2作目のために無印に買いに走ったら品切れでした。もう自分が信じられないと念のため2箱、買いました。

2作目は前項の通り無事に建ちました。ハテ、もうひと箱どうしよう。アレンジというほどではありませんが、ミニチュア版を作ることにしました。

縮小

Photo by Chikako TADA

生地がかなり余ったので70%と50%の2軒はつくれると思い、縮小コピーしました。

生地づくりにはフードプロセッサーを今回、使いました。たった1分で完成です。おまけにしなやかで扱いやすい生地でした。手作業は完敗でした…。

フードプロセッサー

Photo by Chikako TADA

のばしやすい

Photo by Chikako TADA

パーツが小さいので焼く温度はさらに低めです。160℃で6~10分ほどで焼けました。

焼く前

焼く前の生地 Photo by Chikako TADA

160℃で10分ほど焼いたあと

Photo by Chikako TADA

70%サイズが1軒、半分サイズが2軒できました。あれ?って感じでしたが厚さも薄めにしたからでしょうか。

アイシングが足りなくなりそうだったので、自分で100g追加で用意しました。

建築現場です。1棟ずつ建ててもよかったのですが、同じ作業をいっぱんにこなしたほうがはかどるかな?と3棟を同時進行です。

ワクワク

Photo by Chikako TADA

3棟つくってもまだ生地が余っていたので、サンタ3人分(3箱買ったので)のソリもこしらえました。

型紙を作るわけでもなく、ナイフで適当にカットしただけです。ソリ部分はココア生地で。

ソリ

Photo by Chikako TADA

焼き縮みが少ない生地のはずが何度も伸ばしたせいか、かなり小さくなってしまったようです。欠陥設計のせいでサンタさんが乗れないソリが2台、できました。

アイシングでサイドボディ(というのかな)にくっつけて無理やり立ち乗りさせました。ヤンキー風…。

サンタ

Photo by Chikako TADA

さらにサンタさんには手袋も作りました。あわてんぼうなので落としてしまった…との設定です。どこにあるか分かりますか?

9歳児はえんとつや窓枠にも隠して楽しんでいました。

手袋

Photo by Chikako TADA

アイシングは余ったので、働き者のサンタさんの頭の上にのせました。雪降るなかおつかれさま、の感謝を込めて。

手作りのお菓子に既製品(誕生日ケーキならネームプレートとか)が入ると、急に残念な感じになるのですが、雪やソリをつけて手間をかけてやるとなじみます。

サンタクロース

Photo by Chikako TADA

いやー、失敗からアレンジまでたんのうしました。来年は型紙をとっておいて生地からつくろうと思います。みなさんもぜひ一緒にイチから作りましょう!

ヘクセンハウス

Photo by Chikako TADA

後ろ姿

Photo by Chikako TADA

無印 生地からつくるヘクセンハウスのレシピ

ヘクセンハウス

無印 生地からつくるヘクセンハウス

失敗を教訓にポイントを詳しく紹介しています。最大のコツは楽しむこと!どんなぶきっちょさんでも必ず作れますよ。
調理 | Cook: 4 hours
合計 | Total: 4 hours
焼き菓子
洋菓子とデザート
冬いいね
贈り物に
原材料:
ピーナッツフリー
Cost: 1,400円(自前の材料代込み)

道具

分量 : 1 個(12cm×9cm×高さ21㎝)
材料   

作り方

クッキー生地をつくる・焼く

  • 材料です。生地用のグラニュー糖140g、バター60g、牛乳92.5ml、卵1個は自分でそろえます。
    材料
  • バターは600wのレンジに50秒ぐらいかけて溶かし、砂糖に入れます。
    バターと砂糖
  • 泡立て器で15周させます。混ざったかな?ぐらいでいいようです。「混ぜすぎるとまとまりません」とレシピカードに書いてありますがその通りです。
    混ぜる
  • クッキーミックスと牛乳80mlを加えます。量が多いので一番大きいボウルを使ったほうがよいです。
    ミックス&牛乳
  • ゴムベラで混ぜます。
    混ぜる
  • 「手でこねてひとつにまとめ」とレシピにはありますが、ボロボロした感じです。
    こねる
  • 生地の¼量をココア生地用に取り分けます。170g弱です。ココアと牛乳小さじ2を加えます。
    ココア
  • ココア生地はしっとりまとまります。
    こねる
  • 生地50gを取り分けて抹茶と牛乳小さじ½を加えます。
    抹茶
  • こねます。
    こねる
  • プレーン生地は半分ずつラップではさんでめん棒で伸ばします。直径21㎝×厚さ4㎜が2枚できます。
    ラップ
  • ココア生地は19㎝1枚です。主に屋根になります。
    ココア生地
  • 抹茶は直径11㎝ほどです。ツリーやリースになります。
    抹茶
  • トレーシングペーパーの型紙を切ります。黒がココア、水玉が抹茶の生地用です。
    型紙を切る
  • 卵を黄身と白身に分けます。ペットボトルで吸い上げて分けました。
    卵黄
  • つや出し用の黄身に水を小さじ1加えます。水を入れないと濃すぎて薄く塗れません。
    水を加える
  • ハケで混ぜます。
    混ぜる
  • 一番大きな土地(台)を型紙を当てて切ります。文字が読めるほうを上にして型紙を置く…とレシピにありますが、表の壁だけでOKです。
    土地を切る
  • 台は1枚だけで焼きます。170℃で15分ぐらいでした。
    焼く
  • 屋根をココア生地にのせて切ります。天窓は切り取らず、ナイフの上から一緒にカットしました。焼いたあと折れやすいので細くならないよう気をつけて。
    屋根
  • 170℃のオーブンで13分ほど焼きます。卵黄液を塗りました。
    屋根を焼く
  • 卵黄液を塗ってから壁を焼きます。170℃のオーブンで10分ぐらいですが、ひとつ焦げてしまいました。
    壁を焼く
  • ハシゴやツリーなど細かいパーツを焼きます。5分ずつ様子をみて出し入れしながら焼きましょう。合計4回、焼きました。
    細かいもの
  • 生地はそれぞれ余りました。とっておきましょう。
    余り

アイシングをつくる・組み立てる

  • 粉砂糖に卵白大さじ1を入れます。
    アイシング
  • よく混ぜます。かたいので結局、もう大さじ1を足しました。ゆっくり落ちるぐらいが目安です。あればレモン汁も数滴加えます。乾きが早くなります。
    混ぜる
  • コップに絞り袋をはめ込みます。アイシングが入れやすくなります。
    コップに
  • ゴムベラでアイシングを入れます。コップのふちになでつけるようにするとうまく入ります。
    アイシングを入れる
  • スクレイパー(スケッパー)かお好み焼きのコテでしごいて下に落とします。
    しごく
  • 袋の先端を2ミリほど切ります。レシピには1.5㎝とあるのですが、1.5ミリの間違いではないかと…。
    先端を切る
  • 側壁の底と両サイド、後ろの壁の底にアイシングを塗ります。まず後ろ壁を台に取り付けます。
    壁をつける
  • 側壁は後ろの壁にかぶせるようにくっつけます。
    こんな感じ
  • ツリー3本に台をくっつけます。1本は屋根をくっつける前に「室内」に入れてみました。
    ツリー
  • ハシゴを作ります。
    ハシゴ
  • 前壁と屋根、窓枠を取り付けます。窓枠は下のサンだけ抹茶です。
    屋根
  • 雪のようにアイシングを絞ります。ココで表札に書く文字を練習してみるのもいいですね。
    雪
  • ナイフで塗りつけました。文字を書く練習をしたら塗って消しましょう。
    ナイフ
  • 表札に文字を入れましょう。Xmasはお勧めしません。フランス語だとNoëlで3文字で短いです。eの上にアクセント記号をお忘れなく。
    文字入れ
  • 屋根の上に雪を絞り出します。たっぷりアイシングを使ってしまいたくなるのですが、足らなくなる恐れがあります。すべてのパーツを張り付けてからにします。
  • 星を取り付けます。
    星
  • ハシゴや柵、石畳、サンタを飾って完成です!
    完成

Video

Notes

  • ツヤ出しの卵黄を塗らず、文字をさかさまに焼いてしまったバージョンが下の写真です。扉の位置が右寄りですね。
2018年
  • アイシングに生の卵白を使いますが大量の砂糖と乾燥させるため、衛生的には問題がないとされています。クッキーそのものも2週間ぐらいは大丈夫です。
  • 念のために卵白と卵黄を分ける際、殻を使わずに分けるとベターです。
さあ、作りましょう!#ペンとスプーンのハッシュタグをつけてご自身のFacebook, Instagram, Twitterに投稿してくださいね。
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この記事の著者

多田 千香子のアバター 多田 千香子 Pen&Co.代表取締役CEO

食メディア「Pen & Spoon」編集長。1970年、岡山県備前市生まれ。県立岡山朝日高校、岡山大学法学部卒。1993年、朝日新聞社入社。記者・編集者として12年余り勤務。2005-2007年、フランス・パリ在住。料理学校ル・コルドンブルー パリ校製菓上級課程修了。「パリのおやつ旅のおやつ」(朝日新聞出版)「パリの小さなキッチン」(レイチェル・クー著、翔泳社)など著書・翻訳書8冊を出版。辻調製パン技術講座(通信制)修了。2013-2020年、インド・グルガオン在住。インド三井物産などで勤務。コロナ禍で2020年に帰国後、食メディア「Pen & Spoon」を創刊。2023年6月、Pen&Co.(ペンアンド)株式会社を共同創業。週刊英和新聞Asahi Weekly(英文)、ソーシャル経済メディアNewsPicks +dでコラム連載。

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