クレープのレシピを紹介します。フライパンでつくれて簡単で、それでいてパリが香ります。Pen&Spoonのレシピはサイズが替えられますので、お手持ちのフライパンのサイズに替えて作ってみてくださいね。
ミルクレープは日本式クレープ
インドを出る直前の3カ月、友人宅に居候しました。ニューデリー近郊でインド料理教室をしていたノブさん宅です。
お菓子作りの好きなお嬢さんがいました。高校生ですが新型コロナウイルスの影響で休校中です。毎晩のように何やらこしらえていました。ロックダウン(都市封鎖)中で買い物も不自由でしたが、翌朝になると耐熱ガラスのパウンド型にアルミ箔がかかったケーキができていて、おすそ分けしてもらいました。自分の高校時代を思い出す味でした。
ある日はクレープでした。焼き色をほとんど付けない「日本式」でした。お姉さんの誕生日ケーキにミルクレープにするといいます。
何か私も…とキッチンを見回しました。
チョコレートスプレッドがありました。少し油で伸ばしてオーブンシートを三角形に切ってコルネ(小さな絞り袋)にして、と。お皿に「お習字」させてもらいました。いいものだな、ささやかでもメッセージを添えるって。お菓子作りから遠ざかっていましたが、思い出させてくれました。
ミルクレープ同様、かわいく飾った原宿系クレープも日本進化系ですね。本場パリにも「Princess Crêpe」が「原宿式の日本のクレープ店(une crêperie japonaise à la façon Harajuku)」 としてお店を構えています。
私のクレープづくりデビュー作も日本式でした。中学か高校時代です。お皿にピンとラップを張り、そこにタネを丸く広げて電子レンジでチンするやり方です。
電子レンジ付属のレシピ本にあったような…。うまくはがせなくてボロボロになりつつ、それでも何度か作りました。
フランスのクレープ:砂糖とバターが基本
パリに留学してすぐに通うようになったのが16区・イエナ(Iéna)の朝市に出るクレープ屋台でした。クレープの故郷・ブルターニュ地方の黒白ストライプの旗が飾られていました。
砂糖がジャリ、有塩バターがジュワッとして、ジャリジュワがたまりません。「バター(beurre)」の発音が難しくてなかなか通じなかったのもほろ苦い思い出です。こんな簡単な注文もできないのか…と落ち込んだものです。
ちなみにフランス語の「Crêpe」の最初の「e」の頭にのっかった山「ê」はアクサン・シルコンフレクス(accent circonflexe)という発音記号です。語学学校の先生は「プチ・シャポー(小さな帽子)」と呼んでいました。かわいいこの帽子がつくと「エ」を発音します。おしまいの「e」は何もついていないので発音されず「クレープ」ですね。
語学学校の話でさらに思い出しました。半年ほどソルボンヌ大学フランス文明講座に通いました。校舎近くのパン屋さんのクレープもお気に入りでした。
ショーケースに並んでいて1枚1ユーロでした。当時としても安くて、よく「虫押さえ」に買いました。冷めたクレープのおいしさを知りました。
クレープざんまいの季節もあります。キリスト教の復活祭(イースター、仏語ではパック)シーズン(2月~3月上旬)が始まる前日の火曜は「マルディ・グラ」、懺悔の火曜日(マルディ)です。マルディ・グラ以降の40日間は断食と懺悔の期間とされます。断食入りを控えた最後の日に「グラ(脂肪の多い)」ものを食べる慣わしから、クレープやドーナツを食べるようになりました。
新年を祝う「ガレット・デ・ロワ」などに比べたらメジャーな習慣ではないですが、子どもたちは大好きですよね。
留学先のル・コルドン・ブルー パリ校ではクレープや揚げ菓子がどっさりふるまわれたものです。リンゴのベニエ(衣揚げ)にチョコクリーム入りドーナツやチュロスもありました。
クレープのレシピ:トッピングはシンプルでOK
クレープはフライパンで作れて簡単で、それでいてパリが香ります。レシピはサイズが替えられますので、お手持ちのフライパンのサイズに替えて作ってみてくださいね。
トッピングはフランス式がシンプルでおいしいです。焼きたてだと本当に何もいりませんね。大人だけならラム酒をふっても。いつものクレープがぐっと深みを増します。砂糖やハチミツをのせたら2回たたんで三角にして、フォークで刺すか手づかみでいただきましょう!
フライパンで焼くのはナイフがまっすぐ入らないので、ひっくり返すのはちょっと大変です。最初の1枚はだれだって破れますので安心してください。パリの料理家も「1枚目は失敗するね」と言っていましたので。
材料
- 卵 - 1個 55 g
- バター(食塩不使用) - 大さじ2.5 30 g
- 薄力粉 - 大さじ5.5、中力・強力粉でもOK 70 g
- グラニュー糖 (てんさい糖) - 大さじ2 30 g
- 塩 - 小さじ0.5 3 g
- 牛乳 - カップ1 200 ml
トッピング
- グラニュー糖 (てんさい糖) - 大さじ2 20 g
- ジャム - 大さじ2 20 g
作り方
- 材料をそろえます。トッピングはなくてもおいしいです。
- 薄力粉70g、グラニュー糖30g、塩3gをざるに入れます。70 g 薄力粉, 30 g グラニュー糖 (てんさい糖), 3 g 塩
- ふるいます。面倒なら泡立て器でざっと混ぜればOKです。
- 別の小さなボウルに卵1個を溶きます。55 g 卵
- 牛乳200mlを加えて混ぜます。200 ml 牛乳
- 小さく切ったバター30gを混ぜます。30 g バター(食塩不使用)
- 湯せん(50~60℃、湯気が立つぐらい)にかけます。バターが溶けたらOKです。液体を温めたほうが粉となじみやすいです。
- 卵バターミルク液をふるった粉のボウルに注ぎます。
- 泡立て器で静かに混ぜます。
- 粉けがなくなるまで混ぜます。
- ざるか味噌こしなどでこします。
- ふたをして冷蔵庫へ。1時間~一晩おくと焼きやすいです。
- 冷蔵庫から出したら分離しているのでフォークで混ぜましょう。
- バター少々(分量外)を熱したフライパンに入れて溶かします。
- 生地を落とします。すぐフライパンを左右に傾けて広げます。
- お玉だと八分目ぐらい、大さじスプーンだと4杯ぐらいです。
- 生地が届いていない端っこにも流して丸くしましょう。
- 周囲が焦げてめくれてきたらOKです。
- そっとフライ返しを入れてクレープをのせます。持ち上げたら勢いよくフライパンへ。ひっくり返します。
- 裏面は1分ほど焼きます。ぜひ1枚はアツアツを。冷めてもおいしいです。グラニュー糖やジャムをのせてどうぞ。20 g グラニュー糖 (てんさい糖), 20 g ジャム
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Notes
- 生地は冷凍できます。
- 強力粉でつくるともっちりした味わいです。
- 一晩おくと生地が伸びやすく、薄く焼きやすくなります。
- お好みでラム酒大さじ1を混ぜてもおいしいです。
- トッピングは砂糖とバターで生地を楽しんでくださいね。フランスではチョコレートスプレッドのNutellaもお約束です。