スイートポテトのレシピを紹介します。スイートポテトといえばさつまいもに卵黄や砂糖、バターや生クリームを混ぜてオーブンで焼くのが定番ですが、ここでは白あんと生クリームを混ぜて焼くだけです。和菓子のようなおいしさです。
「ノンノ・ケーキ・ブック」の思い出とともに
スイートポテトを最初につくったのは中学時代です。「non-no ケーキ・ブック」(1983年、集英社)の秋の章に載っていました。
「シャルロット」「ミモザケーキ」「いちごのパリブレスト」といったキラキラ系のオンパレードにあって、スイートポテトはいかにも作れそうに思えました。材料は祖母の畑から引っこ抜いてくるだけです。
さつまいもの皮をボートのようにして、卵黄や砂糖を入れて練って焼きました。叔母たちがほめてくれました。
本そのものは30年以上も持ち続け、7年住んだインドへも運んでいました。残念なことにもう手元にはありません。
レシピだけでなく読み物がたっぷりありました。赤毛のアンやオリエント急行の話を読んであこがれました。タルトタタンを知ったのもこの本です。私もレシピに入るまでのウンチクというか語りが長いのは、「non・no」の影響かもしれません。
イマドキの時短・簡単とは100万光年、離れていますね。でも自分の人生プログラミングにプラスに働いたという意味ではノンノの圧勝です。
白あん入りスイートポテト
今回ご紹介するのは白あん入りです。卵アレルギーの人にも食べてもらえます。
白あん入りを知ったのは岩手・大槌町です。東日本大震災から1年余り後、取材で行きました。地元の菓子工房「エルマーノ」で出会ったのが白あん入りのスイートポテトでした。素朴で「和洋菓子店」という店名(当時)にふさわしい味わいでした。
「菓道家」の津田陽子さんのスイートポテトのレシピも白あん入りです。何度も作っていつも大好評でした。感動的においしかったです。
女性誌CREAの別冊(2007年)に載っていました。この本もインドまで連れて行きましたが…片道切符でした。
白あんは練り切りなど和菓子のベースになります。京都にいたころ少し学び、使われ方がフランス菓子におけるアーモンドクリームのようだと思いました。何にでもあいますね。
今回は手に入りやすい乾燥(粉末)白あんを使っています。私は輸入食材ジュピターで買いました。
「白菊白あん」です。
発売当初から変わっていなさそうなパッケージが素敵です。上部にあしらわれた「フレッシュドライ」のフォントがフォントオタクとしてはときめきます。絶対に変えないでねと言いたいです。日持ちもするし(1年)好きな量だけ作れます。海外在住者にもおすすめです。インドへもよく運んでいました。ぜひ作ってみてくださいね。