ロールケーキのレシピを紹介します。卵2個と卵黄2個でつくります。しなやかでひび割れしにくいです。あとは砂糖、粉だけというシンプルさです。卵の泡立てだけ頑張りましょう!ハンドパワーでも大丈夫です「Pen & Spoon」のレシピはサイズ変更できます。
ロールケーキは日本の味
生クリームをフワフワ生地で巻いたロールケーキは日本の味です。山崎製パンの「スイスロール」は1950年発売のロングセラーですが、生クリームを巻いた生菓子が人気を呼び始めたのは1990年代からだそうです。大阪の堂島ロールがヒットしたのは2003年です。いまではコンビニでも買えますね。
海外でも「スイスロール」の小さいバージョンをお菓子売り場で見かけますが、生菓子ではないですね。
パリの料理学校ル・コルドン・ブルーで薪型のビュッシュ・ド・ノエルを習いましたが、ロールケーキとはかなり違います。単に細長い「トヨ型」といわれる半円形の型にビスキュイ(カサカサした食感のスポンジ)を敷き、ムースを流しました。日本のロールケーキより細いです。表面にはカリカリしたクランブルを張り付けました。食感のアクセントになって気に入り、拙著「パリのチョコレート レシピ帖」でもアレンジして紹介しています。
インドでも作ったロールケーキ
住んでいたインドでお菓子教室をしていたころ、ロールケーキを焼く会は人気でした。やはり日本の味ですので。シンプルなロールケーキのほか、メープル味のロールケーキも好評でした。生地の作り方が独特で、シュー生地のように焼く前に火を通すタイプです。手間がかかりますがしっとり、しゅわっとした食感です(また別にご紹介します)。
クリスマスにはビュッシュ・ド・ノエルも作りました。白い飾りは焼きメレンゲです。インドの12月、生クリームはダレてしまうのが心配だったのです。中はイチゴと生クリームです。
「コーヒー部」と称した自家焙煎コーヒーを楽しむ会もしていたのですが、その際にはコーヒーにあうよう、カラメル味のナッツをのせ、バタークリームを巻き込みました。
シンプルなロールケーキを焼く週末のクラスには駐在員や専業主夫、働く女性が来てくれました。概して男性は反応がストレートです。オーブンから出したてのスポンジのふくらみに「おおーっ」とどよめき、ボウルについたクリームは残さずペロリ、持って帰って飾ってもらうためのサブレもその場でパクリ、です。この回は雑誌の取材が入ると知り、わざわざ散髪に行ったリチャード(注:日本人)はいま上海です。どこにいても人生を楽しむ姿、学んでいます。
ロールケーキのレシピ:巻き方のコツ
「Pen & Spoon」のレシピのテンプレートは欧米のサイトでは一般的な「WP Recipe Maker」です。Serving(作る量)を替えられるって最高ですね。お菓子作りには本当に重宝します。いつも電卓を片手に計算していたのがバーを動かすだけでいいのですから!小数点以下の細かい数字が出てきますが、だいたいの目安になります。
「この型のサイズがないからな…」と、作るのをあきらめなくていいのがうれしいです。ロールケーキなら材料も4種類(卵、砂糖、小麦粉、生クリーム)だけですし、どんなオーブンだって天板だってどんとこいです。覚えておくと世界中どこでも作れます。
巻き方のコツは「最初から巻こうとせずにまず垂直に持ち上げる」ことです。ふとんを干すようにまず上に持ち上げてから、下に向かって折り返す感じです。「ふとん、ふとん」と言い聞かせてみてください!
「焼いた面か色白の面か、どちらにクリームを載せるのが正解?」と訊かれたことがありました。正しいとか間違いとかないのですが、焼いた面にクリームをのせるほうがオーブンシート1枚で作れてエコなうえ、簡単です。
色白の面にクリームをのせるにはオーブンシートをはがしてひっくり返します。焼き面が外側になるため新しいオーブンシートかラップが必要ですが、いずれにしても焼き面がくっついてべローンとはがれやすいです。気をつけてそーっと作業してくださいね。冷凍もできますがすぐ食べたほうがやはりおいしいです。挑戦したらぜひシェアしてくださいね。
材料
- 卵 - 2個 110 g
- 卵黄 - 2個分 40 g
- グラニュー糖 (てんさい糖) - グラニュー糖なら大さじ6、上白糖・きび砂糖なら大さじ8 70 g
- 薄力粉 - 大さじ5.5 50 g
ホイップクリーム
- 生クリーム - カップ1 200 ml
- グラニュー糖 (てんさい糖) - 大さじ1.5 15 g
- 牛乳 - 大さじ1 *生クリームの乳脂肪分が40%台の場合 15 ml
作り方
- 天板に一回り大きいオーブンシートを敷きます。生クリーム200mlはよく冷やしておきます。オーブンを190℃に予熱します。
- 卵黄2個を用意します。余った卵白は冷凍できます。
- 卵黄2個と卵2個を合わせます。
- グラニュー糖70gを加えます。
- ハンドミキサーのスイッチを入れずに(または泡立て器で)すぐ混ぜます。混ぜずに放っておいたらグラニュー糖が固まってしまいます。
- 湯せんにかけます。お湯は底に泡が立ち、湯気が上がるぐらい(50~60℃)です。熱すぎると卵が固まってしまいます。お湯の量は底から1~2㎝ぐらいでOKです。
- 人肌に温めます。温度計がなければ指で。ぬるいと感じるぐらいです。
- 湯せんから外します。ハンドミキサーで泡立てます。最初は低速で。
- だんだんもったりと白っぽくなります。
- 持ちあげると、しっかり太く落ちるようになればOKです。
- 薄力粉50gをふるい入れます。ざるでOKです。
- ハンドミキサーの金具でやさしく混ぜます。底から粉を飛ばすイメージです。
- 白い粉が見えなくなればOKです。
- オーブンシートを敷いた天板に流し入れます。
- ゴムベラですみずみまで平らに広げます。
- 10㎝ぐらいの高さから「バン」と落とすか、底をパンパンたたきましょう。大きな気泡を抜くためです。
- 予熱したオーブンを170℃に下げて13分ほど焼きます。こんがり焼き色がつけばOKです。天板から出し、ひっくり返して冷まします。
- 冷めたら紙をそーっとはがします。
生クリームを泡立てる:詳しくはコチラ
- 氷水を用意します。生クリーム200mlは泡立てる直前に冷蔵庫から出しましょう。
- 生クリームとグラニュー糖15g、牛乳大さじ1(乳脂肪分が40%以上なら)をボウルに入れます。氷水に当てて5℃ぐらいになれば泡立て始めます。
- とろりと落ち、跡が残る程度になればOKです。
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Notes
- 生クリームの脂肪分はコクのある40%台を。作りやすさからもおススメです。30%台だと泡立たないのでダレてしまいます。
- マスカルポーネチーズと生クリームを1:1で混ぜて使ってもおいしいです。
- もちろんフルーツを巻き込んでも。
- このレシピはサイズが変えられます。お手持ちの天板のサイズにあわせて分量を替えてください。