自家製カステラのレシピを紹介します。はちみつがおいしさのもと、ほわほわしっとりです。3日ほど寝かせると立派なカステラになります。新聞を折ってオーブンシートを敷き、型にします。オーブンの熱源に当たらないようにだけ、気をつけてくださいね。

Photo by Chikako TADA
カステラといえば「ぐりとぐら」です。絵本の「ぐりとぐら」が生まれたのは1963年です。60年も、色あせないどころか輝きを増すスーパー・エコロジストです。木を組んだ石のかまどとなべ(フライパン)で「かすてら」を焼き、捨ててしまう卵のカラで車まで作るのですから。道具なんかなくなって平気で、工夫して素敵なものを生み出していきます。発行元の福音館書店のサイトには、ちゃんとレシピが載っていました。そうそう、バターを入れるのでした、ぐりとぐらは。
京都にアトリエを開いてまもないころ、情報誌の取材で「ぐりとぐら」のカステラを再現しました。しました…といえるのか、フライパンで焼くのにとても苦労しました。オーブンも偉大ですね。下の写真はオーブンで焼いたものです。

Photo by Chikako TADA
カステラの型、木枠DIYから新聞箱、ソーメンの木箱でも
カステラづくりは京都時代に没頭しました。しっとり焼き上げるには木枠がいいのでいろいろ調べました。買うこともできましたが結構、お高かったのです。
「ぐりとぐら」を見習うべく、ホームセンターでまな板に使われるヒノキ材をカットしてもらい、クギで打ち付けて自作しました。6箱作って材料費は1500円ほどでした。少々いびつですが使うのは私ですから気にしません。
新聞紙とオーブンペーパーを敷いて焼き上げていました。うっかりクギのところに触れてしまうとアチチーでしたが、はちみつがたくさん入ってほんわりしっとり、幸せな気分になりました。インド時代はいただいた小豆島そうめんの木箱で焼きました。豊島屋の鳩サブレーの缶も使いました。
あれこれ試しましたが新聞箱が定番です。カステラの箱にもちょうどいいです。野菜を包むのにも活躍します。老舗カステラ屋さんでも3日は寝かせてから店頭に出すと「暮しの手帖」で読みました。
焼き立てのころはふわふわ、ややパサついているのが寝かせると熟成され、なじんで3日後には立派なカステラになります。時間がおいしくしてくれることに感動します。ぜひ作ってみてくださいね。
新聞箱の折り方
材料
- 新聞紙 - 1枚。15㎝角の箱になります
作り方
Video
Notes
カステラのレシピ
材料
- 卵 - 3個 / 165 g
- グラニュー糖 (てんさい糖) - 大さじ10 / 90 g
- はちみつ - 大さじ2.5 / 50 g
- 牛乳 - 大さじ1 / 15 g
- 強力粉 - 大さじ9 / 80 g
- 中ザラ糖 - 大さじ1*あれば 15 g
作り方
- 材料をそろえましょう。165 g 卵, 90 g グラニュー糖 (てんさい糖), 50 g はちみつ, 15 g 牛乳, 80 g 強力粉, 15 g 中ザラ糖
- オーブンシートを敷き込んだ型にあれば中ザラ糖大さじ1を散らします。15 g 中ザラ糖
- 卵は3個とも卵黄と卵白に分けます。165 g 卵
- 卵黄3個を泡立て器で混ぜます。
- グラニュー糖90gのおよそ半量を卵黄に加えて混ぜます。90 g グラニュー糖 (てんさい糖)
- はちみつ50gも加えます。もったりするまで混ぜましょう。50 g はちみつ
- 卵白3個分を泡立てます。ハンドミキサー(220W)なら2分ほどです。
- モコモコしてきたら残りの砂糖を2回に分けて加えます。よく混ぜます。
- グラニュー糖の残り半分を加えます。しっかりかたいメレンゲができました。
- 卵黄のボウルにメレンゲをひとすくい加えます。
- 泡立て器でグルグル混ぜます。
- メレンゲのボウルに卵黄液を注ぎます。
- 泡立て器で全体をよく混ぜ合わせます。
- 牛乳大さじ1を散らし入れて大きく混ぜます。生地がなめらかになり、すくうと跡が残るぐらいにします。15 g 牛乳
- 強力粉80gをふるい入れます。80 g 強力粉
- 泡立て器で粉けがなくなるまで混ぜます。
- ゆっくり落ちるぐらいになればOKです。
- 型に流し入れる前に、生地を接着剤のように少し紙に塗りつけます。紙が倒れてこないので入れやすくなります。
- 生地を流し入れます。
- 竹串かお箸で底から大きくグルグル10回ぐらい混ぜます。「泡切り」といって、きめを細かくするためです。
- 180°のオーブンに入れます。1分後に出して「泡切り」を10回ほどします。150°に下げたオーブンに戻して45~50分ほど焼きます。金属の型だと早く火が通るので40分ぐらいです。
- ひっくり返して冷まします。ラップに包んで2~3日、冷蔵庫でねかせてからいただきましょう。
Video
Notes
- YouTube動画でレシピは1:39から始まります。
- 薄力粉でもつくれますが食感が変わります。強力粉だとカステラらしい、引きのある、昔ながらのキメの詰まった味わいになります。
- 焼きあがったら最低でも1日は寝かせましょう。しっとりして卵の味も際立ちます。
- 新聞箱で焼くと金属型より火の通りがゆっくりなので上手に焼けます。
- 新聞紙の発火温度は290°ですので燃える心配はありませんが、くれぐれも熱源にふれないように注意してくださいね。