イタリアの農家民宿で習ったローマ風ピッツァのレシピを紹介します。ナポリ風はふちに厚みがあるのに対し、ローマ風は薄くてクリスピーです。オリーブオイルを塗り、できるだけ薄くのばし、できるだけ高温で焼くのがポイントです。
北イタリアの農家民宿で習ったマルゲリータ
ピッツァを北イタリアの農家民宿で習ったのは10年前です。育ち盛りの4児のマンマが教えてくれました。
台に粉をドーナツ状に盛り、お湯で溶いた生イーストを真ん中のくぼみに入れます。くるくる指で混ぜながら粉の土手が決壊しないよう広げていました。粘土遊びみたいで楽しいのです。発酵だって布もラップもせず放置していました。
いまでもそのやり方にならっています。ボウルを使うので穴をあけず、ザーッと水を注いでもかまわないのですが、おいしくするための儀式です。
カリカリ、クリスピーにするコツも教わりました。できるだけ薄く、高温で焼く、オリーブオイルをたっぷり、の3点です。簡単ですよね。
インドのイタリア料理がハズレない訳
インドとイタリア料理は親和性が高いです。宗教上の理由から菜食主義者が多い国にあってイタリアンはなじみがよいのです。ピザ宅配のDomino’sもどこにでもあります。
そもそもカプレーゼ(モッツァレラとトマトとバジル)にジェノベーゼ、ペペロンチーノなどベジ(菜食)だけで成り立つメニューが多いからでしょう。
ナーンもピッツァも似ていますし。お約束ワード「レススパイシー(Less spicy、辛さ控えめに)」を言い忘れるとトホホなこともありますが、イタリアンは重宝しました。
最愛ピッツェリアLEO‘S
「LEO’S」は南デリーのBasant Lok Marketにあります。
天井が広くて木のしつらいもシンプルで、インド特有のゴテゴテ感がありません。インド人のランチタイム、14:00-15:00あたりは混雑します。2階席が定番でした。
メニューも当初はピッツァのみでアルコールはもちろん、サラダさえもありませんでした。いまはビールにワイン、前菜も出しています。
とはいえマルゲリータ(モッツァレラとトマト)がベストオブベストです。税込で600Rs(900円)ぐらいでした。
しぼりたてのオレンジジュースも好きでしたが冷えておらず、いつも氷を頼んでいました(私はお腹を一度も壊していませんが心配な方はお控えください)。フォカッチャも好きでした。フォカッチャというか具なしピッツァです。インド最後の1年、ほぼ毎週のように通っていました。
金曜の夕方、ダッシュでオフィスを出てコドモをピックアップ、めざすはLEO’Sです。ばったり担任の先生に会ったこともありました。メトロの駅が近いので帰りはメトロに乗って帰っていました。あー今週も乗り切った。ささやかな楽しみでした。
何十枚食べたでしょうか。とはいえ苦しい時代でした。8歳児と2人で2枚だと予算オーバーで、いつになったら真ん中を食べられるのか…と思いつつコドモが残すミミ専門でした。
でもミミがまた、窯の香りがダイレクトにしておいしいのです。何の役にも立ちませんがブラインドテストをしても「LEO’Sの窯の味」を当てる自信があります。
ちなみに周りのインド人も「ミミ」は残す派が多かったです。もったいない。
EVOO=エキストラバージンオリーブオイル
「EVOO」はExtra vergin olive oilの略です。7年住んだインドで一番、好きなイタリア料理店でした。ピッツァ窯もあって、オフィスや高級モールの集まる首都デリーのサケット地区から10分ほどです。
お酒は開店当初からずっとありません。こなれた日本語メニューがあって最初は驚きました。友人に書いてもらっていると言っていました。
LEO’SはほぼピザだけですがEVOOはパスタやメーン、デザートも楽しめます。サケットで働くラン友や同僚と時折、来ていました。ピッツァはLeo’sのより薄いローマ風です。これはこれで好きでした。
デザートもインドとは思えぬセンスのよさでした。「チョコレートタルト」はオレンジのリキュール(グランマニエかな)がしっかり香って、カリカリアーモンドがたっぷりのっていました。タルト?これが?まあインドだし…とひとさじ口にして驚きました。
しっかり濃厚なのはガトー・ショコラみたいですが生地がふんわりしていました。キャラメルソースもいい仕事をしていました。325Rs(500円)です。また食べたいので作りたいと思います。
どちらのお店もコロナに負けず、営業しているようです。えらい。
クリスピー・ピッツァのレシピ
材料
- 準強力粉(中力粉) - 200g(強力粉でも)
- 塩 - 小さじ1
- インスタントドライイースト - 3g、小さじ1
- ぬるま湯(40℃ぐらい) - 120ml
のせる具材
- オリーブ油 - 大さじ3
- トマトソース(市販品) - 大さじ6
- モッツァレラチーズ - 150g
- バジルやルッコラ - 150g
作り方
- 材料をそろえましょう。
- 準強力粉200gをボウルに入れます。真ん中に穴を作ってイースト3gと塩小さじ1を入れます。
- 軽く手で混ぜてから真ん中をくぼませ、ぬるま湯120mlを注ぎます。
- 手で水をなじませるように混ぜます。べとつきますが次第に指から離れていきます。
- ひとまとまりになったらボウルから出してこねます。
- 手の付け根を使います。台に押しつけます。
- 伸ばしては押し出す、を5分ほど繰り返します。
- ちぎれず伸びがよくなればOKです。
- 発酵させます。ひとまとめにしてボウルに入れ、湿らせた布をかぶせます。あたたかいところに置いて2倍になるまで待ちます。1時間から2時間ぐらいです。
- 強力粉(分量外)をふった台に出します。やさしく手で押してガスを抜きます。ナイフで3等分に切ります。
- かるく丸めます。布をかけて15分ほど置いてからのばします。
- めん棒を真ん中から手前と向こうに転がします。何度も転がすのではなく、力を込めて1回ずつでOKです。
- 向きを変えてまた転がします。直径18㎝、厚さ3㎜ぐらいになればOKです。3枚のばします。
- くっつかないよう打ち粉をふった天板にのせます。オリーブオイルを1枚につき大さじ1を塗ります。
- トマトソースを1枚につき大さじ2を塗ります。
- チーズを1枚につき50gほどのせます。温めたオーブンに入れて焼きます。設定できる最高温度にしましょう。300°なら4~5分、250°なら6~7分です。バジルやルッコラをのせてアツアツをどうぞ。°
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Notes
- 発酵は冷蔵庫でもできます。3~4時間かかります。
- めん棒がなければオーブンシートの上からカードでしごくようにしてのばしてもOKです。もちろん手でものばせます。
- オーブンは設定できる最高温度で十分、予熱をしてから焼きます。カリカリにするコツです。
- オーブンシートは耐熱温度が230°~250°ぐらいなので、220°以上で焼く場合は念のため使わないでくださいね。
- すぐ食べない生地は冷凍保存しましょう。伸ばしてからファスナー付き袋に入れます。