巨大チョコチャンククッキーのレシピ | オートミール入り

チョコチップクッキー
アーモンドプードルなし、ベーキングパウダーやベーキングソーダもなしです。ザクザクした食感です。
チョコチャンククッキー

バレンタインをきっかけにチョコレートを手作りしてみませんか。1回目はチョコのシガール、2回目はゆずが香るホワイトチョコのキャラメルでした。3回目は巨大チョコチャンククッキーです。混ぜるだけ、型も腕前もいりません。ベーキングパウダーやベーキングソーダも入れません。オートミールのおかげで滋味のある、ザクザクした食感になります。レシピは米シアトルでの出会いから生まれました。

目次

シアトルで習ったオートミール入りクッキー

レシピを習ったのは9年前、桜が咲く米シアトルです。在住経験のあるフリーランス・ライター、桝郷春美さんに友人を紹介してもらいました。シアトル市に勤めるローリーです。

パワフルで自然体で、センスがよくて。かっこいい女性でした。当時2歳の双子の母でもありました。我が子Keiは生後10カ月でした。一緒にグルグル、遊具で回って遊んでいたのを覚えています。

ローリーは「おっきくて、ザ・アメリカーン」なチョコチップクッキーを作ってくれました。友人のママにもらったレシピといいます。春美さんにとっては誕生プレゼントとしてもらった思い出の味です。箱まで大切にとってあると聞きました。

キッチンに立ったローリーは「私は手が遅いのよ」と言いながらも楽しそうでした。天板に生地をのせるのはアイスクリームディッシャーで。こんもりと、ふた山も。「ザ・アメリカーン」な手のひら大サイズになりました。

「そうそう、この味」。10年ぶりに口にした春美さんはひとかじりで顔がほころび、うれしそうでした。

ローリーのチョコチップクッキー

Photo by ChikakoTADA

チョコチップに加えてオートミール(オーツ麦、えん麦)が入ります。いかにも「ママ」のレシピだな、と思いつつKeiはまだ1歳にもならず、それほど「分かる分かる」感はありませんでした。

Keiが9歳になったいま「そうそう」と心からうなずきます。雑穀を好んで食べるわけがありません。親としてはチョコレートや砂糖の助けを借りてでも、栄養たっぷりなものを混ぜたくなります。

私のレシピはベーキングソーダもベーキングパウダーも入れないので、アメリカ的なねっちりした(Chewyな)食感ではありません。ローリーの焼いたクッキーとは違ってザクザクしています。

でも混ぜるだけで寝かせる必要もありません。材料もスーパーにあるものでOKです。

サイズは自在ですがぜひ(最小でも)直径11cmで焼いてみてください。食感はアレンジしたので、せめて大きさだけは。教えてくれたローリーへのオマージュです。

春美さんとは当時から「We are connecting」が合言葉です。どこへいても私たちはつながっている。そう思うだけで心強く、胸が熱くなります。

ローリーはいまでもシアトル市に勤めています。双子のブリンとシルヴィは10歳になったそうです。写真を送ってきてくれました。すっかりレディーになって!感動しました。

相変わらずお菓子づくりもしているそうです。メールには「ここ数カ月で焼いた」というお菓子の名前が並んでいました。

パンプキンスコーン、アップルサイダードーナッツ、ショートブレッド、スイートポテトパイ、キャラメルコーン…といかにも「アメリカーン」なものばかりでワクワクしました。

最後に書いてあったのは「クチダティ(Cuccidati)」というイタリア・シチリア島のクリスマスクッキーでした。200個も作ったそうです。なぜイタリア菓子と思ったのですが、理由がありました。

彼女の父親の家はシチリアからの移民でクチダティを家族や友人に毎年、ふるまうならわしだそうです。昨年のクリスマスはコロナ禍とあってZoomで集まり、それぞれが手作りしたのだとか。

お菓子にまつわるストーリー、胸が熱くなりました。でも納得です。春美さんの誕生日プレゼントにクッキーを贈っていただけあります。

ローリー自身「私は手が遅いのよ」と言っていたように、すごく上手ではないかもしれません(ごめんなさい)。でもベーキングを楽しんでいて、その思いがお菓子にこもっているようで、口にするとハッピーになれます。

ハートがある人、大切にしているものがある人だなあ、と。

彼女は私たちのYouTubeを見てとても喜んでくれました。「Kei is a natural!(ケイは才能あるね!)」とほめてくれました。

製菓用チョコレートチップ問題、40年たっても解決せず

ベーキング用のチョコチップはなかなか見つかりません。昭和から続く難題です。チョコレートの種類は選べないほど増えているのに。

チョコチップ

チョコチップクッキーは私自身、小学生のころから焼いています。教科書は「nonnoお菓子百科 (NON・NO MORE BOOKS愛蔵版)」でした。

サワークリーム、チョコチップ、ココナッツロングが入るレシピだった記憶です。

岡山の田舎でチョコチップを見つけるのは大変でした。スーパーの製菓材料コーナーにあることはありました。でも粒が小さすぎ、量が少なすぎ、なのに高い、の三重苦です。

ハーシーズ(HERSHEY’S)のチョコチップが見つかると小躍りしました。なければカラフルなM&M’sのミルクチョコレートを入れました。それも見つからないと明治アポロチョコ明治マーブルチョコ明治チョコベビーをたくさん買いました。

この状況、40年たった(!)いまでもたいして変わりません。オンラインやコストコなら手に入れられますが、どこでもは手に入りません。チョコチップ以外の材料は簡単なのに。残念です。

米シアトルを訪ねた9年前、どこのスーパーの棚にもあるので「さすがチョコチップクッキーの国」と思いました。チャンクもチップも選び放題です。バルク売り(量り売り)も楽しくて、おまけに日本を考えたら安い!どっさり買いました。

よりどりみどり

Photo by ChikakoTADA

チョコレートチップ

Photo by ChikakoTADA

ローリーに習ったレシピは拙著「世界のおやつ旅」(2013年刊行)で「ママのチョコチップクッキー」として紹介したのですが、チョコチップを探し回るのも…と今回「チョコチャンククッキー」に改めました。板チョコをパキパキ割れば「チャンク」になりますから。

1枚ずつラッピングして贈ってもいいですね。ぜひ作ってみてください。

このほかのチョコレートのレシピは拙著にも掲載しています。

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巨大チョコチャンククッキーのレシピ

チョコチャンククッキー

巨大チョコチャンククッキー | オートミール入り

アーモンドプードルなし、ベーキングパウダーやベーキングソーダもなしです。ザクザクした食感です。
調理 | Cook: 30 minutes
焼成 | Baking: 15 minutes
合計 | Total: 45 minutes
焼き菓子
洋菓子とデザート
春うらら
秋の実り
冬いいね
贈り物に
原材料:
ピーナッツフリー
制作: Chikako TADA
Cost: 700円
分量 : 9 枚(直径11cm)
材料   

作り方

  • 材料をそろえます。バター110gと卵1個は室温に戻しておきます。
    材料をそろえる
  • チョコレート170gは板チョコなら手で一口大に割ります。オーブンを180℃に温め始めます。
    手で割る
  • バターを練ります。手動の泡立て器でもOKです。かたいようなら予熱中のオーブンに一瞬入れるか、電子レンジ(600w)に10秒かけるなどしてください。
    バターを混ぜる
  • かき立てるように混ぜます。かたまりがなくなればOKです。
    混ぜる
  • グラニュー糖120gを加えます。
    砂糖を入れる
  • 泡立て器でよく混ぜます。なめらかになればOKです。
    バター
  • 1個を溶きます。
    卵を溶きます
  • 溶き卵の半分を加えてよく混ぜます。一度に混ぜないのは分離させないためです。
    半分ずつ加えます
  • 残りの半分も加えて泡立て器で混ぜます。
    残り半分も混ぜる
  • しっかり混ざればOKです。
    混ざればOK
  • 割ったチョコレート170gを加えます。
    チョコレート
  • オートミール80gも加えます。
    オートミール
  • ゴムベラで混ぜます。
    混ぜる
  • よく混ざればOKです。
    よく混ざればOK
  • 薄力粉130gをふるい入れます。
    粉をふるい入れます
  • ゴムベラでしっかり切り混ぜます。
    切り混ぜます
  • 粉けがなくなればOKです。板チョコだとくぼみに粉がたまるのでよくチェックしてくださいね。
    粉けがなくなればOKです
  • 天板にオーブンシートを敷きます。生地を大さじ4ずつのせます。指先で直径10㎝ぐらいに押し広げます。
    大さじ4ずつ
  • 温めたオーブンに入れます。170℃に下げて15分ほど焼きます。
    焼く
  • ふちが色づけばOKです。
    色づけばOK
  • 網にのせて冷まします。
    冷ます

Video

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この記事の著者

多田 千香子のアバター 多田 千香子 Pen&Co.代表取締役CEO

食メディア「Pen & Spoon」編集長。1970年、岡山県備前市生まれ。県立岡山朝日高校、岡山大学法学部卒。1993年、朝日新聞社入社。記者・編集者として12年余り勤務。2005-2007年、フランス・パリ在住。料理学校ル・コルドンブルー パリ校製菓上級課程修了。「パリのおやつ旅のおやつ」(朝日新聞出版)「パリの小さなキッチン」(レイチェル・クー著、翔泳社)など著書・翻訳書8冊を出版。辻調製パン技術講座(通信制)修了。2013-2020年、インド・グルガオン在住。インド三井物産などで勤務。コロナ禍で2020年に帰国後、食メディア「Pen & Spoon」を創刊。2023年6月、Pen&Co.(ペンアンド)株式会社を共同創業。週刊英和新聞Asahi Weekly(英文)でコラム連載。

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