嶺岡豆腐(みねおかどうふ)のレシピを紹介します。くず粉、牛乳、生クリーム、砂糖で作る日本版パンナコッタです。ゼラチンや寒天とも違う、もっちりふわっとしたやさしい食感です。
嶺岡豆腐の由来:日本酪農発祥の地・嶺岡牧場から
嶺岡豆腐は日本の酪農発祥の地・千葉県にある嶺岡牧場が名前の由来です。江戸時代には幕府の軍馬を育てていました。八代将軍吉宗が馬の改良のため、インドから(!)馬とともに白牛を輸入したそうです。「豆腐が食べたい」といった吉宗公に、料理人が牛乳を葛粉でかためて出したことが由来として伝わっています。
私が嶺岡豆腐に出会ったのは福岡・久留米です。
お豆腐料理の全国チェーン「梅の花」(バンコクにもあります)で食べたのがきっかけです。「梅の花」の創業の地は久留米です。
久留米は母が晩年、暮らしていました。個室がある「梅の花」にもよく行きました。デザートに出された嶺岡豆腐入りの杏仁豆腐がおいしくて。店頭で売っていたのを買って帰りました。「自分でも作れそう」と思って試作を繰り返したのが紹介するレシピです。母も喜んでくれました。
「梅の花」の通販サイトでは「北海道の生クリームと九州の牛乳を」「独自の配合でブレンドした」とあるので、それにならっています。
葛粉とは:もともと葛の根のデンプン
葛粉はもともと、葛の根のデンプンからできています。奈良・吉野産が産地として有名ですね。ところが「吉野葛」とあっても「九州産」とあったりして…分かりにくいです。
「本葛粉」は葛が使われていますが値段が高いです。
「本」がなく、ただの「葛粉」とあれば基本的にサツマイモ100%です。お値段は「本葛」の半額ほどになります。「片栗粉」だっていまやジャガイモ100%が当たり前で、もはや本当にカタクリからとった片栗粉なんて見たことがないですよね。
「葛粉」を使うとゼラチンや寒天、アガーとも違う食感になります。もっちりしていながら「ふわっ」としています。しかも湯せんで混ぜるだけ、10分ほどで作れます。ふるまうと「うわ、何、この食感」と驚かれますよ。独特ののど越しが持ち味です。ぜひ作ってみてくださいね。
嶺岡豆腐のレシピ
材料
- くず粉 - 大さじ2 / 20 g
- グラニュー糖 (てんさい糖) - 大さじ2 / 20 g
- 牛乳 - カップ1 / 200 ml
- 生クリーム - 大さじ3 / 40 ml
- 好みの果物 - 100g
作り方
Video
Notes
- 葛粉は本物の葛を使った「本葛粉」「吉野本葛」、さつまいもでんぷんを半分ほど混ぜた「吉野葛」、さつまいも100%の「葛粉」などがあります。
- 今回は「葛粉」を使っています。
- 値段も風味も違いますが、「おやつ」には葛粉で十分です。
アレンジレシピ:抹茶の嶺岡豆腐
材料
- くず粉 - 大さじ2 / 20 g
- 抹茶(粉末) - 小さじ1 / 2 g
- 牛乳 - カップ1 / 200 ml
- 生クリーム - 大さじ2.5 40 ml
- グラニュー糖 (てんさい糖) - 大さじ2 / 20 g
- あんこ - 大さじ4 / 80 g
作り方
- くず粉、抹茶、グラニュー糖をボウルに入れます。牛乳を注ぎます。20 g くず粉, 2 g 抹茶(粉末), 200 ml 牛乳, 20 g グラニュー糖 (てんさい糖)
- 生クリームも加えます。40 ml 生クリーム
- お鍋かフライパンに2㎝ほど水を入れて火をつけます。底が泡立つ程度のお湯にします(80℃~90℃)。ボウルを浸し、泡立て器でよく混ぜます。2~3分でとろみがついてきます。
- とろみがついてからさらに1分ほど混ぜ、湯せんから外します。
- だまがあるようならザルに入れて裏ごしします。
- なめらかになればOKです。
- グラスなどに分けて30分以上、冷やします。
- あれば粒あんや果物、黒みつを添えてどうぞ。80 g あんこ