ドイツ発祥の焼き菓子・バウムクーヘンは日本でも進化をとげて百花繚乱、ふんわりタイプに伝統の味…何でもござれです。でも手づくりのやさしい味は格別です。生地は混ぜるだけなので簡単、だれでも卵焼き器で本格的なしっとりバウムが作れます。
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「バウムクーヘン学会」がきっかけ、京都で手作り開始
私が作り始めたのはパリ製菓留学から戻った京都からです。「バウムクーヘン学会」という集まりに混ぜてもらったのがきっかけです。
日経新聞週末版であった「バウムクーヘンランキング」にコメントをしたり(24種類を食べ比べ)、仲間と買って食べてレビューしたり…。「巻くのは無理でも平面なら作れそう」と自作するようになりました。
長屋を改装したアトリエで何度も焼きました。薄く焼いてはまた生地を上にのせて焼く、の繰り返しです。だんだん下面が焼き過ぎになるので天板を重ね、それでも足りなくて段ボールを挟んだりして工夫しました。
生地を流すのはパリのホームセンターで買ったDIY用のコテを使いました。みんなでワイワイ、左官仕事のように広げてのばして焼きました。
印象に残っているのは大学時代の友人の結婚式です。もう12年前になります。京都から岡山まで風呂敷に包んで運んで当日、式場で飾り付けました。世界一周をした彼女のキャラクターがペンギンだったのでペンギン型のサブレをあしらいました。



主役の2人によるケーキカットが終わるとソレーッ、その場でモノサシを片手に80人分をカットしてラッピングして…お見送りに間に合いました。なつかしいです。

拙著「パリのおやつ旅のおやつ」でエピソードとともに紹介しています。
インドで進化したバウムクーヘン:巻いて巻いて年輪型に
インドに住んでからも作り続けました。初めて焼いたのは2013年です。首都ニューデリー在住で1歳を迎える赤ちゃんたちの誕生日会にと頼まれました。

当初は京都と同じ平面型でした。
でもバウムクーヘンなんてないインドです。どうせなら巻いたほうが喜ばれるのでは…と考えてその後、極太めん棒を軸に巻き始めました。オーブンで1枚ずつ焼いて1周ずつ巻き付けるやり方です。
これも1歳のお誕生日会でお披露目しましました。もちろん赤ちゃんはまだ食べられませんから、異国でよくがんばったママたちのために。2016年です。

喜んでもらえたのに気をよくして当時、開いていたお菓子づくりの会でも作っていただきました。「丸太バウム」と呼びたい風貌です。

リボンやマスキングテープも日本から持ち込み、ラッピングまで楽しんでもらえました。

バウムクーヘンのレシピ:しっとり生地がおいしい
材料 | Ingredients
- バター(食塩不使用) - 70g
- グラニュー糖 (てんさい糖) - 80g
- 卵 - 2個
- 薄力粉 - 30g
- アーモンドパウダー(プードル) - 40g
- コーンスターチ - 20g
アイシング(砂糖衣)
- 粉砂糖 - 40g
- 卵白 - 8g(卵から取り分ける)
作り方 | Instructions
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室温においたバター70gをボウルに入れます。泡立て器で混ぜます。
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かたまりがなくなったらグラニュー糖80gを混ぜます。
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泡立て器でよく練ります。
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アーモンドパウダー40gを加えます。
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よく混ぜます。
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卵を1個ずつ加えます。まず1個目です。
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よく混ぜます。
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2個目の卵を加えます。
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よく混ぜます。とろりとすればOKです。
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コーンスターチ20gをふるい入れます。
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ゴムベラでしっかり混ぜます。
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薄力粉30gをふるい入れます。
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ゴムベラでさっくり切り混ぜます。
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リボン状になってようやく落ちるぐらいが目安です。これで生地ができあがりです。
卵焼き器で焼く場合
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卵焼き器かフライパンにサラダ油かバターを小さじ1(分量外)ほど引きます。
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生地を大さじ2ずつ流します。
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卵焼き器を傾けて隅々までのばします。1分ほど焼きます。
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フライ返しを下に差し込んでひっくり返します。サッと焼いて取り出します。
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ナイフで縦半分に切ります。
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くっつかないようオーブンシートを巻いためん棒に巻き付けます。
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焼く→切る→巻き付け、を繰り返します。予熱でくっつけます。
オーブンで焼く場合
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オーブンシートを敷いた天板に生地を薄く(3~5㎜)のばします。
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170°のオーブンで3分ほど焼きます。同じ幅に切ります。
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オーブンシートを巻いためん棒に巻き付けます。ある程度の年輪になったらめん棒を抜いても大丈夫です。
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手で押さえながら巻き、かたちを整えます。
Video
Notes
- 生地をフライパンに大さじ2ずつ流します。直径10㎝ぐらいにします。
- こんがり焼けたら裏返し、反対側も焼きます。
- 生地を大さじ2のせてからフライ返しでひっくり返します。
- また生地をのせます。生地は広げなくてもOKです。生地をひっくり返した際にはみ出た生地は側面になでつけます。これを生地がなくなるまで8~10回ほど繰り返して焼きます。
- アイシングは巻くバウム同様です。上だけに塗ります。一口大にカットします。
- アイシングに卵白を使うのはしっかり固まり、ツヤが出るためです。気になるようなら水でもOKですが、口当たりが少しザラつきます。
- アイシングをしたら冷蔵庫で保存、1週間ぐらいで食べ切りましょう。

子供たちから 本格的なデザートが食べたいよおとの声があがり 神にすがる気持ちで
レシピ通りにつくってみました
お母さんの評判は うなぎのぼりで
めちゃ嬉しかったです
ありがとうございます
響子さま
わあ、コメントわざわざありがとうございます!またぜひ作ってみてくださいね。