ヘーゼルナッツ入りのチョコレートスプレッド「ヌテラ」のレシピをまとめました。欧米では大人も子どもも大好き、イタリア発祥ですがいまや世界中に熱いファンがいます。朝ごはんとしてパンに塗るだけではない食べ方、ラッピングにも!使い道を紹介します。
ヌテラとは:第2次大戦後のココア不足から生まれた
第2次大戦にともなうココア不足を補うため、北イタリア・ピエモンテの特産ヘーゼルナッツを混ぜたペーストをつくったのが始まりです。「nutella」のnutはナッツからきています。
「nutella」として売り出されたのは1964年です。2年後にはフランスに進出、いまでは世界160カ国以上で販売されているとのことです。
2月5日は「World nutella Day」でした。アメリカのヌテラ愛好家Sara Rossoさんが2007年に創設、2015年からは製造元であるフェレロ社自身が毎年、主催しています。ファンが最初につくったなんて、どれだけ愛されているか分かりますね。
原材料はフェレロ社によると砂糖、植物油脂、ヘーゼルナッツ(13%)、脱脂粉乳(8.7%)、ココアパウダー(ココアバター10-12%)(7.4%)、乳化剤 (大豆由来)からなります。生産地によって微妙に配合が違うそうです。
世界中でヌテラ:フランス、イタリア、オマーン
私が最初に出会ったのは製菓留学したパリです。
買ったのは食べるためではなく書くためです。中級課程のメーンはコーヒー味のチョコレートケーキ「オペラ」でした。シェフから「ヌテラにオリーブ油を加えてゆるくして、家でも<L’Opéra >と書く練習をしてね!」と、コースが始まった当初から繰り返し言われていました。
日本よりうんと安くて大きい瓶(400g)が3ユーロもしませんから、惜しげもなく「習字」の練習に使っていました。
本場の北イタリア・ピエモンテ州の農家民宿ではヌテラを入れたケーキを教わりました。
ヘーゼルナッツのケーキ「トルタ・ディ・ノッチョーレ」です。
卵6個に砂糖400g、溶かしバター300gを混ぜます。ヘーゼルナッツ・パウダー(もちろん挽きたて)300gと薄力粉500gも加えます。あとはアマレット酒にヌテラ大さじ2、ベーキングパウダーをよく混ぜて焼くだけです。
ヌテラを調味料のように使うのが新鮮でした。焼きたてより翌朝に食べたほうが、味がなじんでいい感じでした。
ヌテラ愛が高じて(?)拙著「パリのおやつ旅のおやつ」では自家製ヌテラを紹介しました。練乳、はちみつ、チョコレート、ヘーゼルナッツをフードプロセッサーで刻むだけです。
空港の免税店でも小瓶をお土産に買っていました。旅先のオマーンでも見つけました。お弁当に入れるという荒業も…。
ホテルの朝食に出るような小さなパックも好きです。やはり旅先のパリで買いました。7年住んだインドで開いていたお菓子教室で手作りシガールに添え、ラッピングに使っていただきました。
パンチで穴をあけて麻ひもを通し、マスキングテープで止めています。
これ、日本のamazon.co.jpでも売っていました。欲しい!カワイイしそんなに高くないし。120個入り2,800円、1個当たり23円です。賞味期限は半年~8カ月、120個という量が母子2人暮らしには(いくらヌテラ好きでも)…いや大丈夫かな。ラッピングに使えば。
ヌテラ ココア入りヘーゼルナッツスプレッド 15g×120個
ヌテラの食べ方:クレープ・パイ・シガール・ムースに
まずはクレープです。パリの街角のクレープ屋さんにはズラーッとヌテラの瓶を並べている店も多くて「子どもホイホイ」になっていますね。たっぷり塗ってどうぞ。
次はチョコパイです。もともと、パリ14区にあるビストロで出てきたデザートからアイデアを得ました。エドガー・ギネ通りにある仏南西地方料理の「ラ・スリゼ(La Cerisaie)」です。とろけるようなチョコレートタルトでした。パリのビストロのレシピを紹介した本に作り方が載っていました。カカオ分70パーセントのチョコにヌテラを混ぜる、とありました。
カカオ分の高いチョコレートとヌテラとの組み合わせ、茶目っ気を感じさせました。かなりしっかり塩を感じるのが新鮮だったので、塩を効かせてくださいね。
シガールは春巻きの皮とヌテラと油さえあれば作れます。
写真はヌテラのムースです。泡立てた生クリーム100mlに常温に置いたヌテラ50gを混ぜただけです。クラッカーに添えてどうぞ。
ホットケーキにもいいですよね。
ちなみにヌテラ、機内持ち込みはジャムやあんこ同様、液体扱いとなって認められません。スーツケースが重量オーバーになったため持ち込みにして泣いたことが…。旅できるようになったらお互い気をつけましょう!