バレンタインをきっかけに手作りしてみませんか。1回目はチョコのシガール、2回目はゆずのキャラメル、3回目は巨大チョコチャンククッキー、4回目はココアのディアマン、5回目はエクレアのレシピを紹介しました。
6回目は15年以上、作り続けているガトー・ショコラです。
ガトー・ショコラとは:シンプルなチョコレートケーキ
ガトー(Gâteau)は広くお菓子を意味するフランス語です。「ガトー」がつくお菓子といえば「ガトー・ショコラ」と「ガトー・バスク(中に黒サクランボジャムかカスタードの入ったクッキーのようなケーキ)」がすぐ思い浮かびます。あとはパーティーなどで出されるプチガトー(小さいお菓子)でしょうか。
よりきちんと書くと「ガトー・オ・ショコラ」ですね。「オ(au)」は前置詞です。カタカナでは省略されていることが多いので私も「ガトー・ショコラ」と表記しています。
英語では「チョコレート・ガトー」とか「フレンチ・チョコレートケーキ」とか呼ばれているようです。
ガトーショコラに添えるもの:生クリームでなく赤い実で
日本のガトーショコラに添えるものは生クリームがお約束です。もちろん私も好きです。軽いケーキには似合います。でも…。ご紹介するレシピのガトーショコラには、何が何でも赤い実を添えたいところです。
フランボワーズ(キイチゴ)とかチェリー、グロゼイユ(赤すぐり)、イチゴなどです。あの酸っぱさといい、色合いといい、チョコレートの濃厚さを受け止めてくれます。刺身におけるしょうゆ的、なくてはなりません。
下の写真はインドで作りました。ミキサーでイチゴをピュレ状にしてかけています。
「ガトーショコラ・ド・ナンシー」はアーモンドプードル入り
このレシピはパリ製菓留学後、京都のアトリエ時代から作っています。パリで覚えた味の再現で、もう15年以上になります。
ガトーショコラは旅先で習ったもののアレンジを拙著で紹介していました。でもアトリエを手伝ってくれていた友人が「チカコさんのガトーショコラは、本に載っていないのが一番好き」と言ってくれて、あ、そうなんだ!と。
アーモンドパウダー入りなのは「ガトー・オ・ショコラ・ド・ナンシー」(仏東部ナンシーのガトーショコラ)風といえばそうですが、本場のナンシー風はもっとたっぷりアーモンドパウダーが入ります。私のはたった20gしか入りません。本当に「つなぎ」程度です。
シンプルで作りやすいというか「作り心地」がよくて、友人がほめてくれたこともあり、いちばんの定番になりました。
濃厚なのに口当たりはソフトで、本当においしくて、いまだに感動します。ぜひ作ってみてくださいね。オーブンに入れる時間は控えめでOKです。
ベリー×ベリー ガトー・ショコラのレシピ
材料
- チョコレート - 120g
- バター(食塩不使用) - 80g
- グラニュー糖 (てんさい糖) - 50g+30g
- 卵 - 3個
- アーモンドパウダー(プードル) - 20g
- 純ココアパウダー - 20g
作り方
- 材料をそろえます。バター80gは2㎝角ぐらいに刻みます。チョコレート120gはかたまりなら2㎝角ぐらいに砕きます。型にオーブンシートを敷き込みます。オーブンは190℃に温め始めます。
- 卵3個は卵黄と卵白に分けてそれぞれ大きめのボウルに入れます。
- 卵白3個分は冷蔵庫で冷やしておきます。
- 卵黄に砂糖50gを入れます。泡立て器で白っぽくなるまで混ぜます。
- バターとチョコは一緒にボウルに入れます。湯気が立つ程度のお湯(50℃ぐらい)にボウルを浮かべて溶かします。
- 半分ほど溶けたらゆっくり混ぜます。完全に溶けたらOKです。湯せんから外します。
- 卵黄液にすべて注ぎ入れます。
- 泡立て器でムラなく混ぜます。
- ココア20gとアーモンドパウダー20gを一緒にふるい入れます。
- グルグル泡立て器で混ぜます。
- なめらかに混ざればOKです。
- 冷やした卵白を取り出してメレンゲを作ります。ハンドミキサーの低速で混ぜ始め、次第に高速にします。
- モコモコしてくればOKです。
- 砂糖30gを半量ずつ2回に分けて加えます。加えるたびに泡立てます。
- 残りの砂糖も加えます。ハンドミキサーなら低速に落として大きく混ぜ合わせます。
- かたいメレンゲになればOKです。
- メレンゲ⅓をチョコレートのボウルに入れて泡立て器でよく混ぜます。白いところがなくなるまでしっかり混ぜます。
- メレンゲのボウルに全部戻します。
- ゴムベラに持ち替えます。なるべく泡をつぶさないよう切るように混ぜます。
- しっかりなじめばでOKす。
- 型に流し入れます。オーブンシートについた生地は焦げるのでぬぐいます。
- ゴムベラで平らにします。170℃のオーブンで20分ほど焼きます。
- 少し焦げるぐらいでOKです。
- シンプルなデコレーションを楽しみましょう。手をかざして粉砂糖を茶こしで振ります。
- 手が…大きくなっていてショック!赤ちゃんのころはかわいかったのですが。
- やり直しました。ココアを全面にふってからフォークをのせ、粉砂糖をふりました。
- ミックスベリーは冷凍のものでOKです。赤いのだけより分けて使いました。
- 粗く刻みます。ハンディプロセッサーでソース状にしてもOKです。添えます。
- カットしたケーキにベリーを添えます。アイスクリームはお好みでどうぞ。お皿にフォークをのせてからココアパウダーを振りました。
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Notes
- チョコレートはぜひカカオ分50%以上を使ってください。板チョコなら「ブラック」です。
- ココアはなくても作れますが、入れたほうがチョコレートが濃厚に香ります。
- 焼き過ぎに注意してください。